税理士講座は何を買う?科目・受験経験・前年教材から必要パックを決める

税理士試験の講座を探すと、

「簿記論と財務諸表論はセットで買う?」

「税法は1科目ずつでいい?」

「前年落ちた科目は本科を買い直す?」

「上級コースや答練だけで足りる?」

と迷いやすくなります。

税理士試験は、司法書士や行政書士のように「今年の本科を1つ選べば終わり」という試験ではありません。

科目合格制なので、今の自分に必要な科目だけを組み合わせて受講できます。

そのため講座選びも、

何科目受けるか
→ その科目は初学か再受験か
→ 前年教材をどこまで残せるか
→ 講義・演習のどこまで必要か

の順で考えた方が分かりやすくなります。

最初から大きなパックを選ぶのではなく、今年合格を狙う科目ごとに必要な講座を決めるのが基本です。

税理士試験は5科目を一度に受ける必要がない

税理士試験は、

会計科目
→ 簿記論・財務諸表論

税法科目
→ 所得税法・法人税法・相続税法・消費税法など

から合計5科目の合格を目指します。

ただし、5科目を同じ年に受験する必要はありません。

国税庁も、税理士試験は科目合格制であり、1科目ずつ受験することもできると案内しています。

一度合格した科目を、翌年もう一度受験する必要もありません。

そのため講座を選ぶ前に、

「税理士本科を買う」

ではなく、

今年は何科目合格を狙うのか

を決めます。

例えば、

1年目
→ 簿記論+財務諸表論

2年目
→ 法人税法

3年目
→ 相続税法+消費税法

のように分けられます。

初学者はまず「1科目・2科目・3科目」のどこまで持てるか決める

TACの2027年向けコース選びでも、初学者に対して最初に、

1科目
2科目
3科目

のどこまで受講するかを分けています。

これは税理士講座選びではかなり重要です。

例えば、

簿記論だけ
→ その1科目に集中

簿記論+財務諸表論
→ 会計2科目を並行

簿記論+財務諸表論+税法
→ 学習量はさらに増える

という違いがあります。

パックの方が魅力的に見えても、3科目を消化できなければ意味がありません。

買える科目数ではなく、復習まで回せる科目数を選ぶ

ことが先です。

簿記論・財務諸表論を初めて受けるなら2科目セットが候補になる

税理士を初めて受験する人では、

簿記論+財務諸表論

を同時に始めるケースがあります。

両科目には共通する会計知識が多いためです。

大原の2027年向けには、

簿記・財表初学者一発合格パック

があります。

基礎期は両科目を進め、年明け以降は各科目の講義ペースを落として復習時間を確保する設計です。

LECにも、

簿財横断コース

があります。

簿記論と財務諸表論の共通部分をまとめて学び、重複を減らす構成です。

したがって、

簿記論を勉強する
↓
終わったら財表

と完全に分けるだけでなく、

共通知識を使って2科目同時に進める

選択肢があります。

ただし簿財セットが全員に向くわけではない

例えば、

仕事が忙しい。

簿記学習そのものが初めて。

週の学習時間もあまり取れない。

という人です。

この状態で、

簿記論
+
財務諸表論

を同時に抱えると、どちらも復習不足になることがあります。

TAC・大原とも、簿記論・財務諸表論の学習には一定の簿記知識が必要としており、簿記未経験者向けの入門講座も用意しています。

そのため、

簿記知識がほぼない
→ 入門を先に入れる

週の時間が少ない
→ まず1科目

ある程度時間を取れる
→ 簿財同時

と分けます。

簿財はセット商品があるから2科目ではなく、自分が2科目を処理できるからセットを使うと考えます。

税法を初めて受けるなら科目ごとの前提知識も確認する

税法科目は、どれでも好きな順番で同じように始められるわけではありません。

TACの2027年向けでは、

法人税法・所得税法
→ 簿記論・財務諸表論の知識が必要

消費税法
→ 日商簿記3級程度の知識が必要

事業税
→ 法人税法の知識、または法人税法との同時学習が必要

住民税
→ 所得税法の知識が必要

と案内しています。

つまり、

「今年は税法を1つ追加したい」

だけでは足りません。

今まで合格・学習した科目とのつながり

も見て選びます。

初めて学ぶ科目なら基本講義から入る

例えば今年初めて、

法人税法
相続税法
消費税法

を受験する場合です。

その科目をまだ体系的に学習していないなら、

最初から答練・上級講座へ入るのではなく、

初学者向けコース

が基本です。

大原には2027年向けの「初学者一発合格コース」があります。

TACにも「基礎マスター+上級」「ベーシック」など、初学者向けの科目別コースがあります。

LECでも、初学者向けの「パーフェクトコース」が、

  • 簿記論
  • 財務諸表論
  • 法人税法
  • 所得税法
  • 消費税法

などで用意されています。

初めての科目は基本から、再受験科目は前年の完成度から。

ここを混ぜない方が講座選びが簡単になります。

再受験科目は「また本科」ではなく前年の出来を見る

例えば前年、

法人税法を受験して不合格

だったとします。

ここで、

「不合格だから法人税法本科をもう一度」

と決めるのは早いです。

まず、

前年教材を一通り終えたか。

計算はどこまで取れたか。

理論はどこまで暗記できたか。

本試験は合格ライン付近だったか。

を確認します。

税理士再受験では、

同じ不合格でも必要な講座量がかなり違います。

合格ラインから大きく離れていたならインプットを残す

前年、

講義を途中までしか受けていない。

基本論点にも穴がある。

理論暗記もかなり不足。

という場合です。

この状態なら、

前年教材だけを使って答練へ進むより、

もう一度インプットを整理するコース

を検討します。

TACの2027年向けでは、簿記論・財務諸表論の再受験者について、

自己採点で合格ボーダーを下回り、再受験の可能性が高い人向けに、

年内上級講義+上級コース

を用意しています。

年内に知識を再整理してから、年明け以降に上級演習へ進む構成です。

つまり、

再受験でも知識不足が大きければ講義から戻る

という選択があります。

合格ライン付近なら演習中心へ移す

反対に、

前年の講義
→ 完了

基本知識
→ ある

理論暗記
→ かなり進んだ

本試験
→ 合格ライン付近

という場合です。

この人が初学者向け講義を最初からやり直す必要性は低くなります。

TACの2027年向けでは、

法人税法・所得税法・相続税法・消費税法について、

年内上級演習+上級コース

を用意しています。

対象は、本試験後の自己採点が合格ボーダーライン前後の受験経験者です。

年内は週1回程度の問題演習で実力を維持し、年明けから上級へ進みます。

つまり、

合格まであと少しなら、インプットを増やすより演習へ寄せる

形です。

LECも初学者と学習経験者を分けている

LECの2027年向け税理士講座でも、

初学者
→ パーフェクトコース

学習経験者
→ 上級コース

と分けています。

上級コースは、

簿記論
財務諸表論
法人税法
消費税法

などで用意されており、応用論点への対応力を強化する構成です。

つまり、

「今年受ける科目だから本科」

ではなく、

その科目を初めて学ぶか、すでに一通り学習したか

でコースを変えるのが基本です。

前年教材をそのまま残しやすい科目と更新を意識したい科目を分ける

再受験では、

「前年テキストを全部捨てる」

必要はありません。

自分の書き込みや間違い記録が入った教材は、翌年も復習の軸として使えます。

ただし、税法科目は、

税制改正への対応

を確認する必要があります。

前年テキストだけで翌年度へ進む場合、

今年変わった内容を反映できているか

を必ず確認します。

大原の初学者コースでも、直前期に改正税法への対応を行うことを明記しています。

したがって、

前年基本テキスト
→ 復習に残す

新年度
→ 改正・答練・模試を更新

という使い方がしやすくなります。

簿記論・財務諸表論の前年教材も「使える=何も買わない」ではない

会計科目は税法ほど毎年の税制改正の影響を直接受けません。

だからといって、

前年教材だけで完全に同じ学習を繰り返す

とも限りません。

例えば、

前年過去問は覚えてしまった。

同じ問題なら解ける。

しかし本試験で初見問題に対応できなかった。

なら、

新年度の上級演習・答練・模試

を追加する意味があります。

前年教材
→ 知識維持

新年度教材
→ 初見対応

と役割を分けます。

合格した科目の講座は買わない

税理士試験では、科目合格を積み上げます。

例えば、

簿記論
→ 合格済み

財務諸表論
→ 合格済み

法人税法
→ 不合格

なら、

翌年は基本的に、

法人税法
+
新しい税法科目

を考えます。

簿記論・財務諸表論まで含む大きなパックを選ぶ必要はありません。

合格済み科目を講座選びから消していける

のが税理士試験の特徴です。

新しい科目と再受験科目を同時に組み合わせることもできる

例えば、

前年
→ 法人税法不合格

今年
→ 法人税法再受験+相続税法初受験

という形です。

この場合、

法人税法
→ 上級・演習型

相続税法
→ 初学者向け

と、科目ごとに違うコースを選べます。

TACの本科生・パック生も、1科目ごとに受講コースを選べる仕組みがあります。

つまり、

2科目受験だから同じレベルの2科目パック

ではありません。

再受験科目は上級、新科目は基礎

という混在もできます。

2科目・3科目パックは科目数を決めてから見る

TACには2027年向けに、

1年2科目
1年3科目

などのフリーパックがあります。

こうしたパックは、

最初に、

「パックがお得だから3科目」

と決めるものではありません。

先に、

今年本当に3科目学習できるか

を判断します。

例えば、

簿記論
→ 初学

財務諸表論
→ 初学

法人税法
→ 初学

をすべて同時に始めるのと、

簿記論
→ 再受験

財務諸表論
→ 再受験

消費税法
→ 初学

では負荷が違います。

科目数だけでなく、各科目の学習経験まで含めてパックを選ぶ

必要があります。

前年合格ライン付近なら答練・模試まで小さくできないか確認する

例えば前年、

法人税法
→ 自己採点では合格ライン付近

理論
→ かなり完成

計算
→ 安定

という状態です。

この人が必要なのは、

もう一度すべての基本講義

ではなく、

新年度の問題演習と直前対策

かもしれません。

予備校によって単科販売や上級コースの範囲は違いますが、

上級講義
答練
全国公開模試

など、どこまで小さく受講できるか確認します。

前年の完成度が高いほど、講座は大きくするのではなく小さくできる可能性があります。

不合格科目が複数あるなら科目ごとに原因を分ける

例えば前年、

簿記論
→ 不合格

財務諸表論
→ 不合格

だった場合です。

両方落ちたから、

簿財2科目とも同じ講座

とは限りません。

例えば、

簿記論
→ 基本計算から不足

財表
→ 本試験であと少し

なら、

簿記論
→ インプットを厚く

財表
→ 上級・演習中心

と分けられます。

税理士講座は、

人単位ではなく科目単位で組む

と考えると選びやすくなります。

税理士講座を状態別に整理すると

現在の状態まず検討
税理士学習自体が初めて入門+初学者向け
簿記知識あり・簿財初受験簿財同時または科目別初学
新しい税法科目を受験その科目の初学者コース
前年大きく点が足りないインプットを含む経験者コース
前年合格ライン付近上級・演習中心
前年教材を使い込んでいる前年教材+新年度演習・改正
1科目合格済み合格科目は外す
複数科目を受験科目ごとに初学・再受験を分けてパックを検討

つまり、

税理士だからこの本科

という選び方ではありません。

今年受ける一科目ずつに、

何が必要かを決めます。

パックを買う前に「単科で組んだ場合」を一度考える

例えば、

簿記論
+
財務諸表論

を受験するから簿財パック

というのは自然です。

しかし、

法人税法再受験
+
消費税法初受験

なら、

法人税
→ 上級

消費税
→ 初学

と単科で考えてから、同じ構成をパックで組めるか確認した方が分かりやすくなります。

最初にパックを選ぶと、

自分にパックを合わせる

ことになります。

先に単科で必要講座を決めれば、

必要な講座をまとめられるパックがあるか

という順番にできます。

税法の再受験では「前年教材+今年の改正+演習」が基本候補

前年の税法教材をかなり使い込んでいるなら、

それを捨てる必要はありません。

例えば、

前年基本テキスト
→ 知識の保存場所

新年度講座
→ 改正・新論点の確認

上級演習
→ 初見問題

直前答練・模試
→ 本試験確認

と役割を分けます。

新しい予備校へ乗り換える場合も、

前年教材を完全に捨てず、

今年の新情報・新問題だけ別校から取る

方法があります。

1科目だけならパックを探す必要はない

例えば今年、

相続税法1科目だけ。

法人税法1科目だけ。

という場合です。

この場合は、

大きな税理士パックを探す必要はありません。

その科目について、

初学
→ 初学者本科

再受験・基礎不足
→ 講義付き経験者コース

再受験・合格ライン付近
→ 上級・演習

と決めれば十分です。

税理士講座で一番小さい判断単位は「自分」ではなく「1科目」

です。

税理士講座はこの順番で決める

  1. 合格済み科目を除外する
  2. 今年何科目受験するか決める
  3. 各科目を初学・再受験に分ける
  4. 再受験科目は前年の本試験・自己採点を確認する
  5. 基本不足なら講義を残す
  6. 合格ライン付近なら演習中心を検討する
  7. 前年教材を残す場合は税制改正への対応を確認する
  8. 最後に必要講座をまとめられるパックがあるか確認する

この順番なら、

「2科目受けるから2科目パック」

ではなく、

今年必要な講座だけを組み合わせられます。

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税理士講座は「何年目か」ではなく「その科目が何年目か」で選ぶ

税理士試験では、

3年目の受験生でも、

相続税法は初学者。

法人税法は2回目。

簿記論は合格済み。

ということがあります。

だから、

「税理士3年目だから上級」

とはなりません。

**相続税法
→ 初学者コース

法人税法
→ 前年の完成度に応じて上級・演習

簿記論
→ 合格済みなので買わない**

と分けます。

簿記・財表を初めて同時に狙うなら、大原の簿財初学者パックやLECの簿財横断のような2科目型もあります。

再受験なら、TACのように、

合格ラインを下回った人
→ インプットを再整理

合格ライン前後の人
→ 演習中心

と分けたコースもあります。

税理士講座は、

大きなパックを先に決めるのではなく、今年受ける一科目ずつ「何を残し、何を追加するか」を決めて、最後にパックへまとめる。

この順番で選んでください。

出典

この記事は、2026年8月時点の試験制度・各予備校公式情報をもとに作成しています。

国税庁「税理士試験の概要」

国税庁「税理士試験 受験の申込みについて」

TAC「税理士講座」

TAC「申込プラン・コース・料金」

TAC「年内上級講義+上級コース」

TAC「年内上級演習+上級コース」

TAC「本科生・パック生」

資格の大原「2027年受験対策 パック・コース一覧」

LEC「税理士講座」