この記事では、司法書士試験を再受験するとき、
「前年のテキストはそのまま使っていい?」
「全部最新版へ買い替えた方がいい?」
「法改正・答練・記述だけ新しくすれば足りる?」
と迷っている人向けに、前年教材を残しながら何を最新版にするかを整理します。
結論からいうと、
前年の司法書士テキストを全部捨てて、新年度版へ一式買い替える必要があるとは限りません。
前年テキストに、
- 講義の書き込み
- 間違えた論点
- 過去問の参照ページ
- 自分なりの補足
- 苦手箇所の印
などが大量に残っているなら、その教材はすでに自分専用の復習教材になっています。
一方、前年教材だけでは補いにくいのが、
- 新年度の法改正
- 最新年度の本試験問題
- 新作の答練
- 新年度の模試
- 必要に応じた記述対策
です。
そのため2年目は、
基本テキストは残す
+
年度によって変わる部分だけ最新版を足す
という考え方ができます。
前年テキストは「古いから」ではなく「使えるか」で判断する
司法書士の基本テキストを買い替えるかどうかは、
前年版
=
もう使えない
とは考えません。
まず現在のテキストを確認します。
例えば、
- 重要論点に書き込みがある
- 過去問との対応を書いている
- 自分が間違えるところが分かる
- 何度も復習してページ配置まで覚えている
なら、教材を替えることでかえって復習効率が落ちることがあります。
2年目は新しいテキストへ最初からマーキングし直すより、
前年テキストを基準教材として残し、変更部分を補う
方が使いやすい場合があります。
ただし、法改正によって内容が変わった箇所を前年の記載のまま覚えないよう注意が必要です。
最優先で最新版にしたいのは法改正対策
前年教材を使い続けるなら、最も注意したいのが法改正です。
司法書士試験では、
- 民法
- 不動産登記法
- 会社法
- 商業登記法
- その他関連法令
の改正が試験範囲へ影響することがあります。
そのため、
前年テキストをそのまま使う
↓
法改正部分も前年の記載で覚える
という状態は避けます。
2027年合格目標のTAC「答練本科生」には、答練・模試とは別に、
法改正対策講座
がカリキュラムに組み込まれています。
TACは、答練の問題・解説でも法改正を扱い、さらに法改正対策講座で改正知識を整理する構成にしています。
前年テキストを使うなら、
最新版の法改正講座・資料を別途確保する
ことを優先してください。
公式資料
法改正は前年テキストへ書き込んで使う方法もある
法改正があるからといって、必ず基本テキストそのものを買い替えなければならないわけではありません。
例えば、
前年基本テキスト
+
新年度法改正資料
を使い、
変更された箇所を前年テキストへ、
- 訂正
- 追記
- 差し替え
- 参照ページ記入
して使う方法があります。
こうすれば、1年間積み上げた書き込みを残しながら新年度へ対応できます。
ただし、
改正箇所が多い科目や、前年教材の記載と現行法の違いを自分で管理しにくい場合
は、新年度版へ替える方が安全なこともあります。
「旧版を絶対使う」ではなく、
法改正を正確に反映できるか
で決めてください。
教材の正誤情報も確認する
前年教材を使い続けるなら、法改正だけでなく教材自体の訂正情報も確認します。
資格学校によっては、受講者向けページで教材の正誤情報を公開しています。
前年テキストに誤記訂正があるにもかかわらず、そのまま2年目も使用すると、誤った内容を繰り返し覚える可能性があります。
したがって、
前年教材を残す
↓
正誤情報を確認
↓
必要箇所を修正
↓
法改正部分を新年度資料で補う
という順番にすると使いやすくなります。
答練は新年度版へ替える意味が大きい
前年教材の中でも、新年度版へ替える意味が特に大きいのが答練です。
前年に受けた答練をもう一度解くと、
- 問題文を覚えている
- 正解肢を覚えている
- 記述の仕掛けを覚えている
ことがあります。
復習教材として再利用する価値はありますが、
初見問題への対応力を確認する教材
としては弱くなります。
2027年向けTAC「答練本科生」は、
択一式
→ 全1,120問
記述式
→ 全56問
を扱い、新作問題を中心に本試験対策を行う構成です。
また、最新判例・未出問題・法改正も答練へ反映するとしています。
そのため再受験では、
前年テキスト
→ 残す
前年答練
→ 復習用
新年度答練
→ 初見問題用
と役割を分ける方法があります。
公式資料
模試も新年度のものを受ける
模試も前年の問題を解き直すだけでは、本試験前の実力確認としては足りません。
前年模試は、
- 弱点復習
- 時間配分の練習
- 過去のミス確認
には利用できます。
しかし、本試験前に確認したいのは、
初めて見る問題を午前・午後の制限時間内で処理できるか
です。
TACの2027年答練本科生には、
- 全国実力Check模試
- 全国公開模試
が含まれています。
答練で科目別・論点別に練習し、直前期に模試で総合力を確認する流れです。
前年本科を買い直さなくても、
新年度答練+模試
だけ追加する構成は可能です。
公式資料
最新年度の本試験問題は必ず追加する
前年テキストを使い続ける場合でも、
直近年度の司法書士本試験問題
は追加します。
例えば2027年合格を目指すなら、2026年度本試験は前年教材には当然載っていない可能性があります。
最新本試験を見ることで、
- 出題された論点
- 問われ方
- 択一の難易度
- 記述の形式
- 時間配分
を確認できます。
特に再受験者本人が受験した問題なら、
「あのときなぜ間違えたか」
を教材へ戻して整理する価値があります。
公式資料
過去問集は全部買い直さなくてもよい場合がある
前年の過去問集も、使用状況によって判断します。
例えば、
- 何周したか記録している
- 間違えた肢へ印がある
- テキスト参照ページを書いている
- 苦手論点が分かる
のであれば、前年版をそのまま使う価値があります。
そのうえで、
- 最新年度問題
- 法改正に影響する問題
- 新しく出た判例・先例
を補います。
一方、
前年過去問をほとんど使っていない
または
法改正部分を自分で管理できない
のであれば、新版へまとめ直す選択もあります。
つまり、
過去問は年度だけで買い替えるのではなく、学習記録を残すメリットと更新作業の負担を比較する
とよいでしょう。
記述教材は前年の弱点によって変える
記述については、
「新年度だから全部新版」
ではなく、前年の成績から決めます。
記述が十分取れていた
前年の、
- 記述過去問
- ひな形教材
- 解法教材
を残し、新年度答練・模試だけ追加します。
記述の解法自体が弱かった
新年度の記述講座を追加します。
過去問なら解けるが初見問題に弱い
講座ではなく答練を増やします。
時間内に終わらない
答練+模試を優先します。
つまり、
記述教材を買い替えるかではなく、記述のどの工程が弱かったか
で決めます。
記述だけ補強できる講座もある
2027年合格目標のアガルートでは、司法書士学習経験者向けに、
記述・答練パック
が用意されています。
さらに単科でも、
- 記述解法ベーシック講座
- 記述解法マスター講座
- 記述過去問解説講座
- 記述ひな形対策講座
が分かれています。
つまり、
前年の択一教材
+
必要な記述単科
という組み方ができます。
「記述が弱いから司法書士本科を丸ごと買い直す」
以外の選択肢があります。
公式資料
記述が弱くなければ記述講座まで新しくしない
逆に前年の記述が、
- 基準点を十分超えていた
- 答案構成が安定している
- 解法も固まっている
なら、記述講座まで新しく買う必要性は下がります。
前年の解法教材を使い、
新年度答練
+
模試
で初見問題と時間配分を確認する方法があります。
2年目で大切なのは、
新年度だから全教材を更新することではなく、不合格原因へ直接つながる教材を更新すること
です。
択一基準点未満ならテキスト更新より講座追加を考える場合もある
前年テキストを使い続けるとしても、
択一が基準点から大きく離れていた場合は注意が必要です。
例えば、
- 主要4科目の理解が不十分
- 講義を最後まで受けられなかった
- テキストを読んでも理解できない
- 過去問を解いても根拠が分からない
なら、
「テキストは前年版を使って法改正だけ足す」
だけでは足りない可能性があります。
この場合は、新しいテキストを買うかより、
中上級講座や入門再受講が必要か
を先に判断します。
教材の年度問題と、知識不足の問題を分けてください。
択一が基準点付近なら前年テキスト+答練が組みやすい
例えば前年が、
午前
→ 基準点+1問
午後
→ 基準点-1問
程度なら、
基本テキストを全部変えるより、
前年テキスト
+
法改正
+
新年度答練
+
模試
という構成を検討しやすくなります。
必要なら中上級講義を追加します。
TACの2027年答練本科生は、初見問題を多く解きたい学習経験者向けで、法改正対策講座も含まれています。
つまり、
前年インプット教材を残して、新年度アウトプットだけ買う
という再受験の組み方が実際の商品構成でも可能です。
公式資料
前年テキストを使うなら最新情報を1か所に集める
旧版教材を使うときに避けたいのが、
法改正資料
→ 別冊
答練の訂正
→ PDF
テキストの訂正
→ Web
最新本試験
→ 別ファイル
と情報が分散することです。
そのままにすると、本試験直前に、
「どちらが現行法だったか」
分からなくなる可能性があります。
そのため前年テキストを基準教材にするなら、
最新版情報は前年テキストへ集約する
方法があります。
例えば、
法改正
→ 本文へ直接追記
訂正
→ 該当ページへ赤字
最新判例・先例
→ 関連論点へメモ
最新本試験
→ 出題年度を記入
とします。
そうすれば、2年目も基本テキストを1冊の中心教材として使えます。
全部最新版にした方がよいケース
反対に、前年教材を残すことにこだわらない方がよい場合もあります。
例えば、
- 前年テキストへほとんど書き込みがない
- 前年教材をほとんど使っていない
- 法改正部分を自分で管理するのが難しい
- 教材の構成自体が合わなかった
- 別の予備校へ切り替えたい
- 基礎から学習方法を変えたい
場合です。
この場合は、
「書き込みがもったいない」
というメリットが少ないため、最新版へ切り替える判断もしやすくなります。
つまり前年教材を残すメリットは、
1年間の学習履歴が蓄積されていること
です。
その蓄積が少なければ、新しい教材へ切り替えるデメリットも小さくなります。
逆に全部最新版へ替えなくてよいケース
次の項目が多い場合は、前年教材を残す方法を検討しやすくなります。
- テキストを何周もしている
- 書き込みが多い
- 過去問とのリンクを作っている
- 基本知識は一定程度ある
- 択一は基準点付近または超えている
- 不合格原因が記述・時間配分などに明確
- 法改正を別教材で補える
この場合は、
前年テキスト+最新版の変動部分
という構成が使いやすくなります。
前年教材を残す場合の買い足し例
例えば、
前年テキスト
→ 残す
前年過去問
→ 残す
前年記述ひな形
→ 残す
とします。
2027年向けに、
- 法改正対策
- 新年度答練
- 新年度模試
- 2026年度本試験
- 必要なら記述単科
だけを追加します。
この組み方なら、
一からすべて買い直すより、更新が必要な部分へ予算を集中
できます。
前年テキストを使い続ける人の更新優先順位
優先順位を整理すると、次のようになります。
| 教材・対策 | 更新優先度 | 理由 |
|---|---|---|
| 法改正 | 高い | 前年知識のままでは危険 |
| 新年度答練 | 高い | 初見問題が必要 |
| 新年度模試 | 高い | 最新年度の本試験形式確認 |
| 最新本試験問題 | 高い | 前年教材には未収録 |
| 基本テキスト | 状況次第 | 前年版を補正して使える場合あり |
| 過去問集 | 状況次第 | 学習記録を残す価値あり |
| 記述講座 | 弱点次第 | 解法不足なら追加 |
| 記述ひな形 | 状況次第 | 法改正等を確認して利用 |
つまり、
最新版にする優先順位は、テキストより法改正・答練・模試の方が高い
というケースがあります。
前年教材を使う場合の確認順
STEP1 前年テキストの使用状況を見る
書き込み・復習履歴が十分あるか確認します。
STEP2 法改正を確認する
前年版と現行法の違いを整理します。
STEP3 教材の訂正情報を確認する
誤記等があれば修正します。
STEP4 最新年度本試験を追加する
前年に載っていない本試験問題を確認します。
STEP5 新年度答練を追加する
初見問題を確保します。
STEP6 模試を追加する
本試験時間で実力を確認します。
STEP7 記述の弱点を確認する
解法不足なら記述講座を追加します。
この順番なら、
「新年度だから教材一式を買い直す」
ではなく、
前年教材で不足するものだけを最新版へする
ことができます。
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前年テキストは残して、変わる部分だけ最新版にする
司法書士再受験で前年テキストを使い続けるなら、
全部を前年版のまま使う
のでも、
全部を最新版へ買い替える
のでもありません。
前年の、
- 基本テキスト
- 過去問
- 自分の書き込み
を残しながら、
優先して新しくするのは、
法改正
新年度答練
新年度模試
最新本試験問題
です。
記述講座については、
解法が弱い
→ 最新版の記述講座を追加
解法は固まっている
→ 答練・模試だけ追加
と分けます。
2年目は、
教材の年度ではなく、その教材が今の試験に対応できるか、自分の弱点を補えるか
で買い替えるものを決めてください。
出典
この記事は、2026年8月時点の試験情報・各講座公式情報をもとに作成しています。
法務省「令和8年度司法書士試験」、アガルート「司法書士試験対策講座」、TAC「2027年合格目標 答練本科生」、TAC「2027年合格目標 答練本科生記述対策プラス」、TAC「司法書士の答練・模試」
