不動産鑑定士の論文式試験を受けて、
「鑑定理論はある程度取れる。でも民法と経済学が弱い」
という状態なら、翌年も論文本科を丸ごと買い直す必要があるとは限りません。
2027年向け講座を見ると、TACには民法・経済学を科目別に受けられる「アクセスα・β」の単科や、民法の弱点補強講義、経済学の演習講座などがあります。TACの論文本科生にも、鑑定理論のインプットが十分な人向けとして「論文本科生B」が別に用意されています。
つまり、
鑑定理論は維持する。
民法・経済学だけ講義や問題演習を追加する。
必要なら答練だけ科目別に取る。
という組み直しができます。
まず確認したいのは、「民法・経済学が弱い」の中身です。
民法・経済学が弱い原因を先に分ける
同じ低得点でも、原因によって必要な講座は違います。
| 状態 | 補い方の候補 |
|---|---|
| 問題を見ても何を書けばよいか分からない | 基礎・インプット講義 |
| 論点は分かるが答案にできない | 問題演習・答練 |
| 民法だけ弱い | 民法単科 |
| 経済学だけ弱い | 経済学単科 |
| 両方弱いが鑑定理論は取れる | 教養科目中心に追加 |
| 知識はあるが本試験で点にならない | 答練・答案分析中心 |
たとえば民法で、
条文や論点そのものが分からない
のであれば、答練だけ追加しても解説を読む時間が増えるだけになりやすいでしょう。
逆に、
模範答案を読めば内容は理解できるが、自分では答案を組み立てられない
のであれば、もう一度長時間の基礎講義を受けるより、問題演習を増やすほうが合う場合があります。
鑑定理論が取れるなら、同じ講義をもう一度買う必要性は下がる
TACの2027年向け「論文本科生」は、民法・経済学・会計学に加えて、鑑定理論・演習まで含む全体型のコースです。
一方で「論文本科生B」は、鑑定理論のインプットが十分な人向けとして設定され、通常の論文本科生より回数が少なくなっています。
これは今回のような、
「鑑定理論はある程度できる」
という人にとって重要です。
すでに得点できている科目へ、翌年も前年と同じ時間と費用をかける必要があるのかを確認できます。
もちろん、鑑定理論を完全に放置するわけではありません。
過去問や答練を使って維持する必要はあります。
ただし、
「維持すること」
と
「本科講義をもう一度全部受けること」
は別です。
民法の知識自体が弱いなら講義を追加する
民法は論文式試験で出題される教養科目の一つです。
TACの2027年向け講座では、論文対策のオプションとして「民法 弱点補強ピンポイント講義」が用意されています。さらに「民法 厳選過去問演習」も別に設定されています。
ここでも、
知識不足なら講義。
知識はあるなら過去問演習。
と分けられます。
たとえば、
要件や効果を整理できない。
基本論点の論証が出てこない。
問題文を読んでもどの論点を使うか分からない。
という状態なら、まずインプット側を補う必要があります。
一方、
論点は判断できる。
解説を読めば納得できる。
しかし、自分の答案では必要な要素を書き切れない。
という状態なら、演習を増やすほうが目的に合います。
経済学は「理解不足」と「問題を解けない」を分ける
経済学も同じです。
TACには論文式対策として「経済学 徹底演習」や「経済学 試験委員対策セミナー」が用意されています。
経済学で弱い場合、
理論自体を理解していない
のか、
理論は知っているが問題で使えない
のかを分けます。
前者なら講義。
後者なら問題演習。
という切り分けです。
グラフや理論を覚え直す必要がある人と、答案の中で適切に使う練習が必要な人では、同じ教材を追加する必要はありません。
答練だけ足したいなら科目別受講もできる
「民法も経済学も基本講義は終わっている」
のであれば、さらに選択肢を絞れます。
TACの2027年向け「アクセスコース」は、民法・経済学・会計学・鑑定理論について科目別の単科受講が可能です。
アクセスαとアクセスβがあり、2027年向けでは民法・経済学などを1科目単位で選べます。
つまり、
民法だけ答練を追加する。
経済学だけ追加する。
民法+経済学だけ追加する。
という買い方もできます。
これは、
鑑定理論は得点できる。
会計学もそれほど悪くない。
民法と経済学だけ明確に弱い。
という人には検討しやすい方法です。
論文本科を丸ごと買うと、すでにできている科目まで含まれるためです。
まず過去問だけで補えるか確認してもいい
すぐに講座を買う必要がない場合もあります。
TAC出版では、2027年度版として民法と経済学の論文式試験用過去問題集をそれぞれ用意しています。
民法の2027年度版は、平成元年から令和8年までの本試験問題と解答例を収録するとしています。
そのため、
過去問を解く
↓
答案を作る
↓
解答例と比較する
↓
自分で修正できるか確認する
という方法を先に試すこともできます。
ここで自分の弱点を修正できるなら、必ずしも本科講座が必要とは限りません。
逆に、
解答例を読んでもなぜそう書くのか分からない。
自分の答案のどこが悪いのか判断できない。
という状態なら、講義や答練を追加する意味が出てきます。
民法・経済学だけ弱いなら3段階で考える
講座を買う前に、次の順番で考えると整理しやすくなります。
1.過去問だけで修正できるか
まず手元の教材や過去問を使います。
自分で弱点を特定でき、復習まで進められるなら、そのまま続けます。
2.問題演習だけ追加すれば足りるか
知識はあるが答案が弱いなら、科目別答練や問題演習を追加します。
TACのアクセス単科のように、民法・経済学だけ選ぶ方法があります。
3.講義まで戻る必要があるか
基本論点そのものが曖昧なら、講義を追加します。
民法なら弱点補強講義。
経済学なら基礎講義や演習系講座。
というように、不足部分だけ戻ります。
最初から論文本科全部へ戻るのではなく、この順番で広げたほうが必要な範囲を判断しやすくなります。
アガルートは科目ごとの教材を使って弱点を確認できる
アガルートの2027年向け論文式試験対策カリキュラムでは、鑑定理論・民法・経済学・会計学について、それぞれ論証集が用意されています。
また、典型論点を扱う総合講義と問題演習も組み合わせた構成になっています。
ただし、今回のように民法・経済学だけ弱い人が利用する場合は、
「カリキュラム全体を買う必要があるのか」
まで確認したほうがよいでしょう。
他校を含め、科目別講座・答練単科と比較して、自分が必要とする部分だけを取れるかを見るほうが今回の検索意図に合います。
鑑定理論を完全に切るのは避ける
「鑑定理論は取れるから、翌年は一切やらない」
という極端な組み方も避けたいところです。
TAC出版では2027年度版について、鑑定理論の論文過去問題集と演習過去問題集がそれぞれ用意されています。
できる科目は、
講義を減らす。
過去問や答練で維持する。
という扱いにします。
つまり、時間配分を
前年と同じ4科目均等
から、
弱い民法・経済学を厚くする
方向へ変えます。
得意科目をゼロにするのではなく、維持に必要な量まで落とすという考え方です。
論文本科を全部買ったほうがいい人もいる
部分補強が向かないケースもあります。
民法・経済学だけでなく会計学も弱い。
鑑定理論も「取れているつもり」だが安定していない。
前年の講義を十分消化できていない。
自分で学習計画を組み直すのが難しい。
このような場合は、科目ごとに単科を組み合わせるより、論文本科で全体を管理したほうが分かりやすいことがあります。
部分購入が常に安く、効率的とは限りません。
単科を複数追加すると、結果として本科に近い金額や学習量になる場合もあります。
そのため、買う前に、
必要な科目。
必要な講義。
必要な答練。
を一度書き出してから、単科合計と本科を比較します。
結論|できる鑑定理論は維持し、弱い2科目へ時間を移す
鑑定理論は得点できるのに民法・経済学が弱いなら、翌年も論文本科を丸ごと買い直すことだけが選択肢ではありません。
まず、
民法は知識不足なのか、答案不足なのか。
経済学は理解不足なのか、問題演習不足なのか。
を分けます。
知識不足なら講義。
答案不足なら答練。
特定科目だけなら単科。
鑑定理論は手元の教材や過去問、答練で維持する。
このように組み直せます。
2027年向けでも、TACには民法・経済学を科目単位で受けられるアクセスコースや弱点補強・演習講座があり、論文本科にも鑑定理論のインプットが十分な人向けのコースがあります。
「不合格だったから全部やり直す」のではなく、
「どの科目の、どの工程が足りなかったのか」
まで分けてから買う講座を決めるほうが、再受験では無駄を減らせます。
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講座比較を始める前に、
民法は講義が必要。
経済学は答練だけ必要。
鑑定理論は既存教材で維持。
というところまで分けてみてください。
その状態で各校の単科と本科を比べると、「とりあえず全部入り」ではなく、自分に必要な部分へ費用を使いやすくなります。
出典
TAC|2027年合格目標 論文本科生/論文本科生B、TAC|オプション講座(短答式・論文式対策)、TAC|2027年合格目標 鑑定士アクセスコース、アガルートアカデミー|2027年合格目標 不動産鑑定士試験対策カリキュラム、TAC出版|2027年度版 不動産鑑定士 民法 過去問題集
この記事は、2026年8月時点の各資格スクール・出版社の公開情報をもとに作成しています。
