予備試験講座を探していると、
基礎講義。
短答対策。
論文対策。
答案添削。
まで一式入った全部入りカリキュラムが目に入ります。
初学者で、何から始めればよいか分からないなら、全部入りには学習順序をまとめて任せられるメリットがあります。
ただし、
すでに法律を勉強したことがある。
前年の教材を持っている。
短答は自分で対策できる。
論文だけ弱い。
添削だけ増やしたい。
という人まで、必ず全部入りを買う必要があるとは限りません。
2027年向け講座を見ると、LECは法律学習経験者向けに短答講座、論文講座、答練、演習パックを分けています。アガルートも基礎講座だけでなく、重要問題、短答対策、論文答練、アウトプットカリキュラムを別に用意しています。
つまり、全部入りを買う前に、
基礎。
短答。
論文。
添削。
の4つを一度ばらして、それぞれ本当に必要か判定できます。
まず4つを別商品だと考える
予備試験講座を一つの塊として見ると、
「全部必要そうだから全部入り」
となりやすくなります。
先に役割を分けます。
| 対策 | 役割 | 必要になりやすい人 |
|---|---|---|
| 基礎講義 | 法律基本知識を作る | 初学者・知識が大きく抜けている人 |
| 短答対策 | 知識を選択肢問題で使えるようにする | 短答が安定しない人 |
| 論文対策 | 論点を答案として書く | 論文答案を作れない人 |
| 添削 | 自分では気づけない答案のズレを確認 | 書けるが評価が伸びない人 |
4つ全部に問題があるなら、全部入りは合理的です。
一方、
基礎はある。
短答も通る。
論文だけ弱い。
のであれば、買う対象はかなり絞れます。
1.基礎講義は本当に必要か
最初に基礎講義を判定します。
次の状態なら、基礎講義の必要性は高くなります。
- 法律学習が初めて
- 条文や基本判例がほとんど分からない
- 短答過去問の解説を読んでも理解できない
- 論文問題を見ても何が問われているか分からない
- 基本7科目を体系的に学んだ経験がない
この場合は、基礎講義を削りすぎないほうがよいでしょう。
一方、
前年に基礎講義を受講済み。
基本書を一通り読んでいる。
短答問題をある程度解ける。
論文問題でも主要論点は分かる。
という人は、基礎講義をもう一度全部買う必要があるかを見直せます。
基礎はあるが穴があるなら「全部やり直し」とは限らない
知識に抜けがあるからといって、初学者向け講義へ全部戻るしかないわけではありません。
LECは2027年向けに「法律学習経験者向けコース・パック」を用意し、インプット・アウトプット・短答・論文を別々に組める構成にしています。
アガルートにも、論文の重要問題習得講座や短答知識完成講座など、必要な分野だけ追加できる講座があります。
したがって、
全科目をゼロから。
ではなく、
弱い科目だけ戻る。
論文で使う知識だけ再構築する。
という選択もできます。
2.短答対策は本当に講座が必要か
次に短答です。
予備試験では、前年に短答へ合格していても翌年に短答免除はありません。
そのため、短答対策自体は毎年必要です。
ただし、
短答講義を毎年全部買う
必要があるかは別です。
短答を独学へ寄せやすいのは、
前年に短答を通過している。
短答過去問を自分で回せる。
間違えた理由を自分で確認できる。
苦手科目が分かっている。
という人です。
この場合、
基本教材。
過去問。
最新年度問題。
を自分で管理し、必要なら答練や模試だけ追加できます。
短答は講義・答練を分けて買える
LECの2027年向け学習経験者用単科には、
予備試験短答合格講座。
予備試験ハイレベル短答答練。
が別に用意されています。
つまり、
知識から補う人。
実戦問題だけ追加したい人。
を分けられます。
アガルートも2027・2028年向けに、
短答知識完成講座。
短答過去問解説講座。
短答絶対合格!スキル習得講座。
など短答対策を独立して用意しています。
全部入りカリキュラムを買わなくても、
「短答のどこが不足しているか」
に合わせて追加できます。
短答だけで落ちるなら論文講座を増やす前に短答を直す
全部入り講座を見ると、論文講義や添削が充実しているほど安心に感じます。
しかし、前年に短答式で不合格だったのであれば、翌年まず突破しなければならないのは短答です。
短答で、
毎回合格点から離れる。
特定科目で大きく失点する。
時間内に処理できない。
という状態なら、論文添削を大量に増やすより短答側を整える必要があります。
全部入りかどうかではなく、現在のボトルネックに費用を使います。
3.論文講義は本当に必要か
次は論文です。
論文対策も、
論文講義。
重要問題。
過去問。
答練。
を分けて考えます。
問題を読んでも論点が浮かばない人は、まだ論文用の知識が不足しています。
この場合は論文講義や重要問題演習が必要です。
一方、
論点は分かる。
模範答案も理解できる。
しかし時間内に自分で書けない。
のであれば、講義を増やすより答練へ移す余地があります。
論文は基礎講義と答練の間にも選択肢がある
アガルートの重要問題習得講座は、論文式試験で必要な問題処理を身につける講座として独立販売されています。
さらに2027・2028年向け予備試験アウトプットカリキュラムは、すでに基本知識と基本的な答案の書き方を習得している人を対象とし、約450問の重要問題から論文過去問・各種答練へ進みます。
つまり、
基礎講義をもう一度全部聞く
と
いきなり答練だけ
の中間があります。
「知識はあるが論文で使えない」人は、この段階を検討できます。
論文過去問まで終わっているなら答練だけでもよい
さらに進んで、
重要問題は十分やった。
論文過去問も書いた。
という人は、新しい問題が必要になります。
LECは2027年向け学習経験者用として「論文ハイレベル演習パック」を販売しています。
また、論文合格講座も科目別・編別で購入できます。
学習経験者が、
論文だけ。
特定科目だけ。
演習だけ。
という形で選べる構成です。
そのため、論文が弱いからといって全部入りへ戻る必要はありません。
4.答案添削は本当に必要か
最後が添削です。
論文試験だから添削は多ければ多いほどいい、と考えやすいですが、答案自体を書けなければ添削枠を使えません。
添削が必要になりやすいのは、
時間内に答案を書ける。
主要論点も大きく外していない。
しかし成績が伸びない。
自分の答案の問題点が分からない。
という段階です。
逆に、
答案を最後まで書けない。
論点自体が分からない。
という場合は、添削を増やす前に講義や答練が必要です。
添削もフル講座以外で確保できる
アガルートの2027・2028年向け重要問題習得講座では、全科目申込みの場合に添削オプションを追加できます。
さらに追加添削を希望する場合には、カスタマーセンター経由で購入手続きをする仕組みも案内されています。
また、アウトプットカリキュラムには合計110通のオンライン添削が含まれます。
つまり、
添削が欲しい
から
初学者向け全部入り
へ戻る必要はありません。
必要な添削量に応じて、より小さい商品から選べます。
4項目を○×で判定してみる
全部入りを買う前に、次のように判断できます。
基礎
基本テキストを読んでも理解できない
→必要
前年教材で過去問を解ける
→全面買い直しの優先度は低い
短答
過去問で合格水準に届かない
→講義・過去問講座・答練を検討
前年に通過し、現在も安定している
→独学+答練・模試でも可
論文
問題を見ても論点が出ない
→重要問題・論文講義
論点は出るが書けない
→過去問・答練
初見問題だけ弱い
→新作答練
添削
自分で悪いところが分からない
→追加する価値あり
添削を受けても復習していない
→追加前に返却答案を消化
この4項目で全部「必要」なら全部入りの合理性が高くなります。
1つか2つだけ必要なら、単科やパックとの比較が必要です。
全部入りが向く人
全部入りを避けること自体が目的ではありません。
次の状態なら、全部入りのメリットは大きくなります。
- 法律学習が初めて
- 基礎から短答・論文まで学習順序を自分で組めない
- 全科目で知識が不足している
- 論文答案を書いたことがない
- 短答・論文・実務基礎をまとめて管理してほしい
- 教材を自分で組み合わせるより一つのカリキュラムで進めたい
LECの2027年向け法律学習経験者用にも「予備試験対策フルコース」があり、論文合格講座、ハイレベル論文答練、実務基礎、短答答練などをまとめています。
必要なものがほぼ全部なら、個別購入より一式のほうが管理しやすくなります。
全部入りを一度止めて比較したほうがいい人
一方、次の状態なら一度分解して考えたいところです。
- 基礎講義を受講済み
- 短答は毎年通る
- 論文だけ弱い
- 過去問教材をすでに持っている
- 添削だけ増やしたい
- 特定科目だけ弱い
- 2年目以降で前年教材が大量に残っている
この場合は、全部入りを買うと重複する可能性があります。
講義代だけでなく、同じ内容をもう一度見る時間も重複します。
予備校は一校に全部任せなくてもいい
基礎は前年の予備校。
短答は独学。
論文答練は別校。
添削は添削付きパック。
という組み方もできます。
LECは2027年向けに短答合格講座、短答答練、論文合格講座、論文演習パックなどを個別販売しています。
アガルートも総合講義、短答、論文対策、論文答練を分けています。
予備校を選ぶのではなく、
基礎はどこ。
短答はどこ。
論文問題はどこ。
答案評価はどこ。
と役割で決める方法があります。
選択科目・実務基礎は別に確認する
4項目だけ見て終わらないようにしたい点もあります。
予備試験論文式では、法律基本7科目だけではなく、
選択科目。
法律実務基礎科目。
もあります。
全部入りには含まれていても、単科や演習パックでは別売りになる場合があります。
LECの経験者向けフルコースには法律実務基礎講座が含まれますが、個別商品へ分けた場合は必要な講座を別途確認します。
アガルートのアウトプットカリキュラムにも法律実務基礎科目答練が含まれています。
単科化するときほど、
「削ったつもりで必要科目まで抜けていないか」
を確認します。
迷ったら全部入りの価格を見る前に問題を解く
講座比較を始める前に、
短答過去問を1年分。
論文過去問を1問。
解いてみてください。
短答が取れる。
論文の論点も出る。
ただ答案の完成度だけ低い。
のであれば、必要なのは基礎+短答+論文講義+添削の全部ではない可能性があります。
逆に、
短答も解けない。
論文も何を書くか分からない。
なら、全部入りの価値が高くなります。
商品ページを見る前に、現在地を測るほうが判断しやすくなります。
結論|全部入りを買う前に4回「本当に必要?」と確認する
予備試験講座を全部入りで買う前に、
基礎は必要か。
短答講座は必要か。
論文講義は必要か。
添削は必要か。
を一つずつ判定します。
基礎がないなら基礎講義。
短答が弱いなら短答講座・答練。
論文で論点が出ないなら論文講義・重要問題。
論点は出るが書けないなら答練。
答案は書けるが評価が分からないなら添削。
というように分けられます。
2027年向けでも、LECは法律学習経験者向けにインプット・短答・論文・演習を分割して販売しています。
アガルートも総合講義、短答対策、重要問題、論文答練、アウトプットカリキュラムを分けています。
全部入りは「一番充実した講座」ではありますが、
自分にとって不要な講義まで含まれていないか
を確認してから契約するほうが、費用だけでなく学習時間の重複も減らしやすくなります。
関連記事
予備試験2年目は何を買い直す?短答・論文・添削に分けて講座を組み直す
予備試験の基礎講義を受講済みなら翌年は何を買う?短答演習+論文答練への切り替え方
予備試験の答案添削だけ増やしたい|フル講座を買わず添削回数を確保する方法
契約前に必要なものだけ4行で書く
全部入り講座の申込みボタンを押す前に、
基礎:必要/不要
短答:必要/不要
論文:必要/不要
添削:必要/不要
と4行だけ書いてみてください。
すべて必要なら全部入りを選びやすくなります。
一部だけなら、経験者向け単科・答練・添削付きパックと比較してから決めると、重複購入を避けやすくなります。
出典
LEC|法律学習経験者向け 予備試験コース・パック、LEC|法律学習経験者向け単科講座、アガルートアカデミー|司法試験・予備試験対策講座、アガルートアカデミー|2027・2028年合格目標 予備試験アウトプットカリキュラム、アガルートアカデミー|2027・2028年合格目標 重要問題習得講座
この記事は、2026年8月時点の各資格スクールの公開情報をもとに作成しています。
