簿記論と財務諸表論を一緒に受験して、
「簿記論は合格したけれど、財務諸表論だけ残った」
という場合があります。
このとき、
「翌年も簿財セットを買う?」
「財務諸表論だけ上級に切り替える?」
「前年の財表教材を残して、答練だけ新しくすればいい?」
と迷いやすくなります。
結論からいうと、
簿記論に合格しているなら、翌年に簿財セットをそのまま買い直す必要はありません。
税理士試験は科目合格制です。
簿記論
→ 合格済み
財務諸表論
→ 不合格
なら、翌年は財務諸表論1科目として講座を選び直せます。
そのうえで、
財表の基本から不足している
→ 基礎を含む講座
一通り学習済みだが応用で失点
→ 上級
合格ライン付近まで来ている
→ 演習・答練中心
前年教材を十分使い込んでいる
→ 前年教材+新年度演習
と縮めます。
つまり、
「前年は簿財セットだった」ではなく、「翌年に残った財表へ何を追加するか」
で決めます。
簿記論に合格したら翌年は財表だけでよい
国税庁は、税理士試験について科目合格制を採用しており、一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験できると案内しています。
したがって、
簿記論
→ 合格
財務諸表論
→ 不合格
なら、翌年に簿記論をもう一度受験する必要はありません。
前年、
簿財2科目パック
を使っていたとしても、
翌年は、
財務諸表論1科目
として考えます。
簿財セットから単科へ縮められるのが、科目合格制の大きな特徴です。
公式資料
まず前年の財表がどこまで完成していたかを見る
財務諸表論だけ落ちた人でも、
翌年に必要な講座は同じではありません。
例えば、
Aさん
→ 計算も理論も基本から弱い
Bさん
→ 計算は安定、理論だけ弱い
Cさん
→ 答練では取れていたが本試験で失敗
では、買うものが違います。
見るのは、
- 本試験の自己採点
- 計算問題の出来
- 理論問題の出来
- 答練・模試の成績
- 前年教材の消化度
です。
つまり、
「財表に落ちた」ではなく、「財表のどこで落としたか」
から翌年を組み直します。
TACは財表の前年得点から翌年コースを分けている
TACは令和8年度税理士試験後の受験プランニングで、財務諸表論について前年得点から次年度のコース選択案を示しています。
TAC配点では、
67点以上
→ 次の科目へ進む
61~66点
→ 次の科目へ進むことを推奨。不安なら年内上級講義+上級
55~60点で答練成績が平均以上
→ 年内上級講義+上級
55~60点で答練成績が平均未満
→ 基礎マスター+上級
54点以下
→ 基礎マスター+上級
という目安です。
つまり、
財表不合格=上級
でも、
財表不合格=最初から全部
でもありません。
前年の得点と答練成績によって、
基礎まで戻るか
上級へ進むか
次の科目も始めるか
を分けています。
公式資料
計算も理論も基本から弱いなら基礎を残す
前年の財表で、
計算の基本処理でも迷う。
財務諸表の表示・計算が安定しない。
理論も用語を覚えているだけで説明できない。
という状態なら、
上級答練だけ追加しても伸びにくくなります。
この場合は、
財務諸表論1科目だけ基礎から再整理する
方がよいでしょう。
TACのプランニングでも、得点や答練成績が低い場合には「基礎マスター+上級」で基本項目を再確認する方向を示しています。
重要なのは、
前年に簿財を一度受講したこと
ではなく、
財表の基本が翌年の上級演習に耐えられる状態か
です。
一通り学習済みなら財表だけ上級へ切り替える
前年、
計算
→ ある程度安定
理論
→ 一通り学習済み
答練
→ 合格圏付近
という人です。
この場合は、
初学者向けの財表講義をすべて最初から受け直す必要性は下がります。
TACには2027年向けの、
年内上級講義+上級コース
があります。
受験後の自己採点で合格ボーダーを下回った再受験者を対象に、
年内
→ 知識の再整理
年明け以降
→ 上級レベルの実践対策
へ進む構成です。
LECにも2027年向けに、
財務諸表論 上級コース
があります。
受験経験者向けで、応用論点への対応を強化するコースです。
つまり、
簿記論
→ 合格したので外す
財務諸表論
→ 上級
という1科目構成へ切り替えられます。
公式資料
LEC上級でも基本教材へ戻れる
LECの2027年財務諸表論上級コースは受験経験者向けですが、
上級教材だけで進むわけではありません。
公式では、パーフェクトコースの教材も提供し、
基本項目を最新教材で復習できる
構成としています。
一方で、
受験経験があっても、
基本論点に不安がある
受験からブランクがある
場合には、パーフェクトコースを勧めています。
つまり、
再受験
→ 必ず上級
ではありません。
基本が残っている人は上級、基本から不安なら基礎寄り
と分けます。
公式資料
財表は「計算」と「理論」を分けて原因を見る
財務諸表論は、
計算
+
理論
があります。
そのため、
総得点だけでなく、
どちらで失点したか
を見ることが重要です。
例えば、
計算
→ 安定
理論
→ 明確に弱い
なら、翌年の学習時間を理論へ寄せます。
反対に、
理論
→ 取れる
計算
→ 時間不足
なら、
講義を増やすより計算問題の演習量・処理速度を上げる方が直接的です。
両方弱いなら、財表全体を再整理します。
同じ財表不合格でも、翌年の時間配分は変わります。
理論だけ弱いなら財表本科を全部やり直さない方法も考える
前年、
計算問題
→ 十分
理論問題
→ 低い
という場合です。
この状態なら、
計算講義まで含めて最初から全部やり直す必要があるか確認します。
前年計算教材
→ 継続
計算
→ 答練で維持
理論
→ 重点復習
という方法があります。
上級コースを使う場合でも、
弱い理論へ復習時間を多く配分する
ことが重要です。
講座を全部受講することより、
前年の失点部分を改善することを優先します。
計算だけ弱いなら理論を増やしすぎない
反対に、
理論
→ 安定
計算
→ 遅い・不安定
という場合です。
この人が理論教材を大量に増やしても、合格へ直接つながりにくい可能性があります。
計算について、
個別問題
↓
総合問題
↓
答練
と処理速度を上げます。
理論は、
忘れない程度に維持
で構いません。
2年目は、
全範囲を同じ比率でもう一度やるのではなく、失点した側へ時間を寄せる
ことができます。
前年の財表教材はそのまま捨てなくていい
前年の簿財セットで使った、
- 財表テキスト
- 理論教材
- 計算問題集
- 間違えた問題
- 自分の書き込み
は翌年も使えます。
特に、
どの理論が覚えにくかったか。
どの計算論点で間違え続けたか。
が残っている教材には価値があります。
翌年は、
前年教材
→ 知識を戻す場所
新年度上級・答練
→ 初見問題と本試験対応
と分けます。
単科へ切り替える=教材を全部新しくする
ではありません。
前年問題を覚えているなら新年度の答練は入れたい
再受験では、
前年の総合問題や答練を繰り返し、
問題を見ただけで処理方法が分かる
ことがあります。
これは復習としては有効ですが、
本試験の初見対応を測りにくくなります。
そこで、
前年教材
→ 復習
新年度答練
→ 初見対応
とします。
LECの2027年財務諸表論上級コースにも、
- 上級答練
- 直前答練
- 全国公開模擬試験
- 予想答練
が含まれています。
つまり学習経験者向けでも、
講義だけでなく演習・模試まで新年度問題に更新する
構成です。
公式資料
大原にも財表だけの学習経験者向けコースがある
大原の2027年向けには、
経験者年内完結コース 財務諸表論
があります。
学習経験者を対象に、
9月から12月は週1回ペースで、
講義
+
問題演習
を行う構成です。
その後、1月から経験者向けコースへつなげる設計です。
大原も、
簿財セットだけでなく、
財務諸表論1科目の学習経験者向け講座
を用意しています。
前年に大原の簿財セットを使っていても、
翌年は財表だけへ縮められます。
公式資料
資格の大原|2027年受験対策 経験者年内完結コース 財務諸表論
簿記論に合格したから計算学習を完全にやめるわけではない
簿記論は合格済みでも、
財務諸表論には計算問題があります。
したがって、
「簿記論に受かったから計算はもう終わり」
とはなりません。
ただし、
簿記論そのものの新年度講義・答練
を受ける必要はありません。
財務諸表論の計算として必要な範囲だけ続ける
という違いです。
簿記論のための学習時間を消し、その分を、
財表理論
財表計算
新しい税法科目
へ回します。
財表が合格ライン付近なら新しい税法を追加しやすい
前年、
簿記論
→ 合格
財務諸表論
→ 合格ライン付近
なら、
翌年を財表1科目だけにする必要はありません。
TACのプランニングでも、財表で一定以上の得点を取れている人については、
次の科目へ進む
ことを推奨しています。
例えば、
財表
→ 上級・演習中心
法人税・所得税など
→ 初学者コース
という組み方です。
簿記論が合格していることで、
前年の簿記論学習時間を新しい科目へ移せます。
法人税法・所得税法へ進むなら簿財知識を活かせる
TACは、法人税法・所得税法の学習について、
簿記論・財務諸表論の知識が必要
と案内しています。
そのため、
簿記論合格済み
財表も合格ライン付近
という状態なら、
翌年に法人税法・所得税法などへ進む流れも考えやすくなります。
一方、
財表の基本から大きく崩れているなら、
まず財表を確実に取ることを優先する方法もあります。
「簿記論に合格したから必ず税法追加」
ではなく、
残った財表にどれだけ時間が必要か
で判断します。
公式資料
簿財セットを買い直す必要性は基本的に低い
簿記論がすでに合格しているなら、
翌年に、
簿記論講義
簿記論問題集
簿記論答練
簿記論模試
まで新しく買う必要性は基本的にありません。
簿財セットの方が商品として分かりやすくても、
学習上必要なのは財表だけです。
したがって、
財表単科を基準にする
のが自然です。
セットを選ぶのは、
商品条件などに明確なメリットがある場合だけ比較すれば十分です。
財務諸表論だけ残った場合を整理すると
| 前年の財表 | 翌年の候補 |
|---|---|
| 計算・理論とも基本から弱い | 財表だけ基礎+上級 |
| 基本はあるが応用に弱い | 財表上級 |
| 合格ライン付近 | 上級・演習・答練中心 |
| 計算だけ弱い | 計算を重点補強+答練 |
| 理論だけ弱い | 理論を重点補強+答練 |
| 前年教材を使い込んだ | 前年教材+新年度答練・模試 |
| 簿記論合格済み | 簿記論講座は原則買わない |
| 財表もかなり完成 | 新しい税法科目との並行も検討 |
これは各予備校共通の公式得点区分ではありません。
TACの前年得点別プランと、各校の財務諸表論学習経験者向けコースをもとに整理した目安です。
翌年は「財表だけを取る年」と決めなくてもいい
財務諸表論だけ残った場合、
前年より学習負荷を小さくできる可能性があります。
前年
→ 簿記論+財表
翌年
→ 財表の再受験
なので、簿記論に使っていた時間が空きます。
財表がかなり完成しているなら、
財表
+
税法1科目
へ進めます。
一方、財表を基礎からやり直す必要があるなら、
財表へ集中
でも構いません。
重要なのは、
簿財セットを外した後に空く時間を、財表の弱点と次の科目へどう配分するか
です。
財表だけ残ったらこの順番で決める
- 簿記論は合格済みなので翌年講座から外す
- 財表の本試験自己採点を見る
- 計算と理論を分けて失点を見る
- 答練・模試での成績を確認する
- 基本不足なら財表だけ基礎から補う
- 一通り完成しているなら財表上級へ進む
- 前年教材を残し、新年度答練・模試を追加する
- 財表がかなり完成していれば新しい税法科目も検討する
この順番なら、
「前年は簿財セットだったから今年も簿財セット」
ではなく、
合格した簿記論を外し、残った財表だけ必要な大きさに縮める
ことができます。
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簿記論に合格したら、翌年は財表単科へ切り替える
前年、
簿記論
+
財務諸表論
を受験し、
簿記論だけ合格したなら、
翌年は基本的に、
財務諸表論1科目として講座を選び直します。
財表の基本から弱い
→ 財表だけ基礎+上級
一通り学習済み
→ 財表上級
合格ライン付近
→ 演習・答練中心
計算だけ弱い
→ 計算へ重点配分
理論だけ弱い
→ 理論へ重点配分
前年教材を使い込んだ
→ 教材を残して新年度問題を追加
と分けます。
TACは2027年向けに、前年の財務諸表論得点と答練成績から、基礎マスター+上級、年内上級講義+上級、次の科目へ進むという判断を分けています。
LECにも学習経験者向けの財務諸表論上級コースがあります。
大原にも財表単独の経験者向けコースがあります。
税理士試験は科目合格制です。
だから、
簿記論に合格したら簿記論を翌年の買い物リストから消す。
そして残った財務諸表論だけについて、
何を残し、何を新しくするか
を決めてください。
出典
この記事は、2026年8月時点の試験制度・各予備校公式情報をもとに作成しています。
国税庁「税理士試験の概要」、TAC「令和8年度税理士試験後の受験プランニング」、TAC「2027年合格目標 年内上級講義+上級コース」、TAC「税理士講座 日程表」、資格の大原「2027年受験対策 経験者年内完結コース 財務諸表論」、LEC「2027年合格目標 財務諸表論 上級コース」
