社労士試験の再受験で、
「択一はある程度取れている」
「基本テキストをもう一度最初からやる必要はある?」
「今年はインプットを減らして、答練や選択式対策を増やした方がいい?」
と考える人がいます。
結論からいうと、
択一式で合格圏に近い得点が取れていて、基本知識も安定しているなら、2年目はインプット時間を減らし、答練・選択式・白書・法改正へ時間を移す方法があります。
社労士試験では、択一式だけ取れても合格できません。
選択式にも、
- 総得点基準
- 科目別基準
があるためです。
そのため再受験では、
前年と同じように全科目の講義を最初から聞く
のではなく、
択一の知識は維持しながら、本試験で不足した部分へ学習時間を移す
という組み直しができます。
ただし、
「択一が取れている」
という言葉だけでは足りません。
択一総得点は高いものの、一部科目が4点前後しかない場合と、全科目で安定して取れている場合では、減らせるインプット量が違います。
まず「択一は取れている」の中身を確認する
最後に合格基準が確定している2025年度社労士試験では、
択一式
→ 70点満点中42点以上
選択式
→ 40点満点中22点以上
が総得点基準でした。
さらに科目別基準もあり、択一式は原則各科目4点以上、選択式は原則各科目3点以上でした。
一部科目では難易度による補正も行われています。
そのため、
択一45点
だったとしても、
すべての科目で6~7点程度取れている
のと、
得意科目9点
苦手科目4点
が混在している
のでは状態が違います。
2年目にインプットを減らしやすいのは、
択一総得点だけでなく、科目別でも大きな穴がない人
です。
公式資料
社会保険労務士試験オフィシャルサイト|第57回(令和7年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答
択一が安定しているなら講義を全部聞き直さない
例えば前年、
択一
→ 45点
各科目
→ 5~8点程度
だったとします。
過去問もある程度解けていて、基本論点の正誤理由も説明できる。
この状態で、
労基
労災
雇用
健保
厚年
国年
をすべて初学者向け講義からやり直す必要性は下がります。
2年目は、
基本テキスト
→ 辞書・復習用
過去問
→ 知識維持
答練
→ 初見対応
選択式
→ 基準点割れ防止
白書・法改正
→ 新年度情報
というように役割を分けられます。
インプットをゼロにするのではなく、必要なときだけ戻る形へ変える
のがポイントです。
アガルートでも上級はアウトプット特化の位置づけ
アガルートの2027年社労士上級カリキュラムは、
本試験択一式で35~40点ほど取れていて、アウトプット特化の学習をしたい人
を対象としています。
一方、中上級は、
本試験択一式30点以上で、知識の穴を再インプットしながらアウトプット中心で進めたい人
向けです。
つまり予備校側の講座設計でも、
択一30点台前半
→ まだインプット補強を残す
択一35~40点以上
→ アウトプット比率を上げる
という考え方が見られます。
もちろん点数だけで決めるものではありませんが、
択一が取れている人ほど、講義時間を減らして演習へ移す
という方向性は現行講座にも表れています。
公式資料
アガルート|2027年合格目標 中上級総合講義/中上級カリキュラム
アガルート|2027年合格目標 総まとめ講座/上級カリキュラム
択一が取れている人は「答練で知識を確認する」形へ変える
1年目は、
講義
↓
テキスト
↓
過去問
という順番だった人も、2年目は、
答練
↓
間違える
↓
テキストへ戻る
という順番へ変えられます。
すでに基本知識があるなら、
最初に全部インプットしてから問題を解く必要がない
からです。
TACの2027年「上級演習本科生」は、受験経験者向けに、
演習+解説講義へ特化
しています。
上級演習問題40回分のほか、
- 到達度テスト8回
- 実力完成答練6回
- 総合答練4回
- 直前予想答練2回
- 全国中間模試
- 全国公開模試
などが用意されています。
つまり、
問題を解きながら不足知識だけ戻る
という再受験向けの組み方ができます。
公式資料
答練だけを中心にしたコースも実際にある
TACでは2026年向けに、
答練本科生
という受験経験者専用のアウトプット中心コースも設定されていました。
基本的な知識のインプットを終えている人を対象に、
- テスト
- 答練
- 一般常識対策
- 法改正
を中心に進める構成です。
つまり、
「再受験だから必ず本科講義をもう一度」
ではなく、
基本インプットが終わっているなら問題演習中心
という講座設計自体が存在します。
2027年向けの商品構成は購入時点で確認する必要がありますが、再受験者の学習方法としては参考になります。
公式資料
選択式が不合格原因なら時間を大きく移す
例えば前年、
択一
→ 47点
選択式総得点
→ 27点
しかし、
選択式1科目
→ 2点
で不合格だったとします。
この場合、
択一47点をさらに55点へする
ことより、
選択式で全科目3点以上を安定させること
の方が直接的な課題です。
2年目は、
択一インプット
→ 減らす
択一演習
→ 維持
選択式
→ 増やす
という配分にします。
特に、
知識はあるのに空欄を絞れない
という人なら、選択式形式そのものへの慣れを増やします。
アガルートなら選択式対策+答練まで入る
アガルートの2027年中上級フルには、
- 実力確認答練 全8回
- 選択式集中特訓講座
- 科目横断整理講座
- 法改正対策
- 白書対策
- 模擬試験
が含まれています。
実力確認答練は1回あたり、
択一式10題
+
選択式2題
です。
つまり、
択一を維持しながら選択式も同時に確認
できます。
ただし、中上級フルには中上級総合講義も含まれます。
択一がすでに十分安定している人は、
「この講義量まで必要か」
を確認し、単科販売や別校の答練・選択式対策で小さく組めないか比較する価値があります。
公式資料
アガルート|2027年合格目標 中上級総合講義/中上級カリキュラム
選択式は知識だけでなく「絞る練習」もする
選択式には、
知っていれば答えられる問題
だけでなく、
問題文や選択肢から候補を絞る必要がある問題もあります。
そのため、
択一の知識がある
=
選択式も必ず取れる
とは限りません。
LECの2027年「選択式攻略講座」は、
70分で問題演習
+
70分の解説
という構成で、選択式の出題傾向や解き方まで扱います。
択一インプットを増やすより、
選択式形式で知識を使う訓練
を増やしたい人向けです。
公式資料
LEC|2027年合格目標 年金キーパー+中上級コース/中上級コース
白書・法改正はインプットを減らしても削らない
択一が取れている人が、
「インプットを減らす」
ときに注意したいのが、
白書・法改正まで前年のままにしないこと
です。
基本テキストは前年版を使える場合がありますが、
- 法改正
- 白書
- 統計
- 一般常識
は年度による更新が大きい部分です。
LECでは2027年向けに、
先取り白書対策
先取り改正法対策
を通信Webで別売し、コース生以外でも申し込めるようにしています。
そのため、
前年テキスト
+
今年の白書・法改正
という組み方もできます。
公式資料
LEC|2027年合格目標 年金キーパー+中上級コース/中上級コース
択一で4~5点の科目はインプットを減らしすぎない
択一総得点が45点でも、
労基
→ 8点
雇用
→ 8点
健保
→ 8点
厚年
→ 5点
国年
→ 5点
のような状態なら、年金科目はまだ不安定です。
この場合、
「択一45点だから全インプット不要」
とは言えません。
得意科目は、
過去問・答練中心
へ移し、
4~5点の科目だけ、
テキスト・講義へ戻る時間を残す
方が安全です。
つまり、
全科目一律でインプット半減
ではなく、
得点が安定している科目ほど減らす
という配分にします。
選択式対策を増やしても択一は維持する
選択式で落ちた再受験者は、
「今年は選択式中心」
と考えやすくなります。
しかし、前年の択一45点が今年も45点になる保証はありません。
そこで、
択一
→ 新しい講義は減らす
ただし
→ 過去問・答練は続ける
とします。
インプットを減らすことと、択一の勉強をやめることは違います。
むしろ答練で択一を定期的に確認し、
間違えた科目だけテキストへ戻る
方が2年目には効率的です。
模試では選択式と択一を同時に確認する
択一が取れている人でも、模試では択一得点だけを見ません。
例えば、
択一
→ 48点
選択式
→ 30点
でも、
選択式の1科目
→ 2点
なら、本試験でも同じ失敗リスクがあります。
模試では、
択一総得点
選択式総得点
に加えて、
すべての科目が科目別基準を超えているか
を確認します。
択一は45点前後を維持できている。
選択式は全科目3点以上。
という状態を複数回作ることが目標です。
労一・社一が弱いなら白書・一般常識へ時間を移す
前年、
択一
→ 合格圏
選択式
→ 労一または社一で基準点割れ
だった場合です。
このタイプは、
労基や雇用の講義をもう一度何十時間も聞く
より、
- 白書
- 統計
- 一般常識
- 法改正
- 選択式問題
へ時間を回す方が直接的です。
TACでも2027年向けに、受験経験者用の「一般常識重要法規講義」が用意されています。
つまり、一般常識だけを別に補う方法もあります。
公式資料
年金だけ弱いなら上級演習だけでは足りない場合がある
択一全体では取れていても、
厚生年金
国民年金
だけ毎回4~5点という人もいます。
この場合、
アウトプットだけ大量に増やすと、
同じ知識不足で何度も間違える
可能性があります。
そのため、
年金
→ インプットを残す
その他の得意科目
→ 答練中心
というように分けます。
インプットを減らす対象は「自分が取れている科目」
です。
択一総得点だけを見て全部削るわけではありません。
本科を買わずに組むならこうなる
択一が安定している人なら、例えば次の構成があります。
前年基本テキスト
→ 弱点確認用として継続
前年過去問
→ 択一維持
新年度答練
→ 初見問題・択一維持
選択式講座
→ 基準点割れ防止
白書・法改正
→ 新年度版へ更新
模試
→ 択一・選択式の総合確認
この形なら、
1年目のような大量インプットを減らし、本試験で必要なアウトプットへ時間を移せます。
中上級を買った方がよい人もいる
択一が取れていると感じていても、
- 30点台前半
- 複数科目で4~5点
- 基本問題の理由を説明できない
- 選択式も複数科目で不安定
- 年金・一般常識に大きな穴がある
なら、まだインプットを大きく削る段階ではない可能性があります。
アガルートの2027年中上級は、
択一30点以上で、穴になっている部分を再インプットしながらアウトプット中心に学ぶ
層を対象にしています。
このタイプなら、
完全アウトプット型へ移る前に、
中上級で不足知識を整理し直す
意味があります。
公式資料
アガルート|2027年合格目標 中上級総合講義/中上級カリキュラム
答練中心へ移しやすい人
次の項目が多ければ、2年目はインプットをかなり減らしやすくなります。
- 択一40点台以上
- 科目別でも大きな穴がない
- 過去問を十分回している
- 基本論点の理由を説明できる
- 不合格原因が選択式に明確
- 法改正・白書だけ更新すれば基本教材を使える
この場合は、
答練+選択式+白書・法改正+模試
を中心に組みます。
インプットをまだ残した方がよい人
反対に、
- 択一30点台前半
- 得意科目と苦手科目の差が大きい
- 4点前後の科目が複数ある
- 過去問でも迷う
- 同じ論点を繰り返し間違える
- 選択式も複数科目で低い
なら、インプットを減らしすぎない方がよいでしょう。
答練で間違えるたびに、
基礎知識がない
という状態なら、問題量を増やしても得点が安定しません。
2年目の学習時間を変える
1年目が、
講義
→ 50%
過去問
→ 40%
模試・答練
→ 10%
だったとします。
択一が安定した2年目なら、
講義・テキスト復習
→ 20%
過去問・答練
→ 45%
選択式・白書・法改正
→ 25%
模試・総仕上げ
→ 10%
のように、アウトプット側へ移す考え方があります。
これは絶対的な割合ではありません。
大事なのは、
前年と同じ学習配分をもう一年繰り返さない
ことです。
択一が取れている人はこの順番で組み直す
- 択一総得点を見る
- 科目別で4~5点の科目がないか確認する
- 安定科目は講義を減らす
- 不安定科目だけインプットを残す
- 新年度答練を増やす
- 選択式対策を追加する
- 白書・法改正を新年度版へ更新する
- 模試で全科目の基準点を確認する
この順番なら、
「択一が取れたからインプットを全部やめる」
のでも、
「不合格だったからまた全講義を聞く」
のでもありません。
必要な科目だけインプットを残し、それ以外の時間を実戦対策へ移せます。
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社労士再受験で択一が取れているなら、
前年と同じ量のインプットをもう一年繰り返す必要性は下がります。
得意科目
→ 過去問・答練で維持
4~5点の不安定科目
→ インプットを残す
選択式
→ 集中特訓
労一・社一
→ 白書・一般常識
全科目
→ 法改正を更新
本試験対応
→ 答練・模試
と組みます。
2年目は、
知識を増やす時間から、持っている知識を本試験で使う時間へ移す
ことができます。
ただし、択一総得点が高くても科目別に穴があるなら、その科目のインプットだけは削りすぎないようにしてください。
出典
この記事は、2026年8月時点の試験情報・各講座公式情報をもとに作成しています。
社会保険労務士試験オフィシャルサイト「第57回(令和7年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答」、アガルート「2027年合格目標 中上級総合講義/中上級カリキュラム」、アガルート「2027年合格目標 総まとめ講座/上級カリキュラム」、LEC「2027年合格目標 年金キーパー+中上級コース/中上級コース」、TAC「2027年合格目標 上級演習本科生」、TAC「答練本科生」、TAC「社会保険労務士講座」
