働きながら税理士2科目は無理?1科目講座+次年度追加と2科目セットを比べる

働きながら税理士試験を始めるとき、

「簿記論と財務諸表論を2科目同時にやるのは無理?」

「まず1科目だけ受けて、翌年にもう1科目追加した方が安全?」

「2科目セットを買って片方が手つかずになるのが怖い」

と迷うことがあります。

結論からいうと、

働きながら2科目受験そのものが無理なわけではありません。

実際、TACは2027年向けに、

簿記論+財務諸表論を1年で狙う「1年簿財パック」や「1年2科目フリーパック」を用意しており、働きながら2科目を並行する学習例も案内しています。

一方で、税理士試験は科目合格制です。

最初から2科目を受験する必要はなく、

1年目は1科目
→
2年目に次の1科目を追加

でも問題ありません。

したがって、

2科目セットの方が得そうだから

ではなく、

毎週2科目分の講義と復習を最後まで処理できるか

から決める方がよいでしょう。

税理士試験は1科目ずつでも受験できる

国税庁は、税理士試験について、

科目合格制

を採用していると案内しています。

会計科目2科目と税法科目3科目の合計5科目に合格する必要がありますが、一度に5科目を受験する必要はありません。

1科目ずつ受験しても構いません。

そのため、

1年目
→ 簿記論

2年目
→ 財務諸表論

3年目
→ 税法

という進み方も制度上できます。

反対に、

1年目
→ 簿記論+財務諸表論

として一気に2科目を狙うこともできます。

つまり、

2科目を同時にやらないと遠回りになる試験ではありません。

自分の学習可能量に合わせて科目数を決められます。

働きながら簿財2科目を受ける人も想定されている

TACは、簿記論と財務諸表論の2科目同時学習について、

仕事が比較的定時に終わる場合、

平日に簿記論。

週末に財務諸表論。

あるいは1科目を通信で受講する。

といった週間スケジュール例を示しています。

さらに2027年向けの「完全合格+上級コース」では、

年内は1科目につき週1回程度。

12月下旬以降は1科目につき週2回程度。

という講義ペースです。

2科目なら、

年内
→ 週2回程度

年明け以降
→ 週4回程度

の講義を処理する時期が出てきます。

TACは講義後の復習についても、毎回一定の復習時間が必要と案内しています。

つまり、

2科目同時で本当に重くなるのは、講義を2本見ることより、2科目分の復習・問題演習まで回すこと

です。

2科目セットを買う前に「年明け以降」を想像する

税理士講座を始める時期は、

年内は意外と進められる

ことがあります。

例えば、

簿記論
→ 週1回

財表
→ 週1回

なら、

「これなら働きながらでもできそう」

と思うかもしれません。

しかし、試験が近づくにつれて、

講義
演習
答練
理論暗記
総合問題
模試

が重なります。

TACの2027年向けでも、簿財の完全合格+上級コースは、年内週1回から12月下旬以降週2回へ学習ペースが上がります。

2科目なら、その負荷も2科目分です。

だから、

9月・10月に2科目できるかではなく、春以降も2科目分を復習できるか

で考えます。

2科目セットが向くのは「講義を見る時間」ではなく「復習時間」まで取れる人

例えば、

平日はほぼ定時。

通勤時間も比較的短い。

平日夜に学習できる。

土日のどちらか、または両方を税理士学習へ使える。

という人です。

この場合は、

簿記論
+
財務諸表論

を同時に進める選択肢があります。

特に簿財は、両方とも会計科目で知識の関連性があります。

LECも2027年向けに、

簿財横断コース

を用意し、簿記論・財務諸表論の2科目同時合格を目指す設計にしています。

TACも、簿財について学習時間を確保できるなら同時学習を勧めています。

つまり、

2科目を完全に別々に勉強するわけではない

ことも、簿財同時学習のメリットです。

簿財2科目は他の2科目組み合わせより考えやすい

税理士試験で2科目といっても、

組み合わせによって負荷は違います。

例えば、

簿記論+財務諸表論

は知識の関連性が高いため、同時学習しやすい組み合わせです。

一方、

法人税法+相続税法

のように大きな税法科目を2つ初学で並行する場合は、別の負荷があります。

TACの2科目フリーパックも、

簿記・財表・法人・所得・相続などから2科目を選ぶもの。

主要科目+比較的学習量の異なる科目を組み合わせるもの。

など、科目構成によってパックを分けています。

したがって、

「働きながら2科目できるか」ではなく、「どの2科目か」まで見る

必要があります。

時間が少ないなら1科目+次年度追加でいい

例えば、

残業時間が読めない。

繁忙期が長い。

土日にも仕事が入る。

家族の予定もある。

という場合です。

この状態で、

「せっかくだから2科目セット」

と始めると、

簿記論
→ ある程度進む

財表
→ 講義だけ見る

という状態になる可能性があります。

それなら最初から、

1科目を確実に進める

方法があります。

税理士試験は科目合格制なので、

1年目
→ 簿記論

合格後
→ 財務諸表論を追加

でも、その簿記論合格が消えることはありません。

1年ずつ積み上げる方法が成立します。

1科目だけにすると「余った時間」が全部その科目へ戻る

1科目受験のメリットは、

講義数が半分になる

だけではありません。

復習。

問題の解き直し。

理論暗記。

答練。

模試。

も1科目へ集中できます。

例えば、

簿記論で総合問題が苦手

となった場合でも、

財表の理論暗記を気にせず、簿記論へ時間を使えます。

特に初めて税理士試験を勉強する人は、

最初の1科目で「税理士試験の勉強量そのもの」を知る

という意味があります。

ただし1科目ずつなら合格までの年数は延びやすい

1科目受験にはデメリットもあります。

税理士試験は原則として5科目合格が必要です。

毎年1科目ずつ受験すれば、

すべて一度で合格しても複数年かかります。

さらに不合格年があれば延びます。

そのため、

毎週2科目を処理できる人が、

安全だけを理由に毎年1科目へ絞る

と、合格までの期間を必要以上に延ばす可能性があります。

できない2科目を無理に買わないことと、できるのに1科目へ絞り続けることは別

です。

まず1科目を始め、翌年から2科目に増やす方法もある

「1科目か2科目か」を、税理士試験終了まで固定する必要はありません。

例えば、

1年目
→ 簿記論

2年目
→ 財表+税法1科目

3年目
→ 税法2科目

という増やし方もできます。

1年目に、

講義1回に対してどれくらい復習が必要か。

仕事との両立ができるか。

繁忙期にどのくらい遅れるか。

を把握できます。

その経験を使えば、

2年目に2科目へ増やせるか判断しやすくなります。

最初の1年だけ1科目にする

という選択もあります。

簿財なら最初から2科目にするメリットも大きい

一方、簿財については、

最初から2科目にする理由もあります。

簿記論と財務諸表論は共通する会計知識があります。

LECの簿財横断では、この重複部分をまとめて学習する設計です。

TACも簿財同時学習を想定したパック・カリキュラムを用意しています。

したがって、

簿記論を1年間完全に終えてから、

翌年に財表をゼロから開始

するより、

関連する知識を同じ時期に学ぶ方が効率的な人

もいます。

特に、

日商簿記の知識がある。

仕事が定時中心。

週末学習時間も確保できる。

なら、簿財同時は検討しやすくなります。

「2科目セットだから2科目とも同じコース」でなくてもいい

TACの2027年「1年2科目フリーパック」では、

1科目ごとに受講コースを選択

できます。

例えば、

簿記論
→ 基礎マスター+上級

法人税法
→ ベーシック

のように、科目ごとに違うコースを組めます。

再受験が混ざる場合も同じです。

簿記論
→ 再受験なので上級

新しい税法
→ 初学者コース

とできます。

つまり2科目セットは、

必ず2科目とも同じ学習量になる商品

ではありません。

前年経験がある科目なら、その分だけ負荷を下げられる場合があります。

再受験1科目+新規1科目なら働きながらでも組みやすくなる

例えば、

前年
→ 簿記論を受験

今年
→ 簿記論再受験+財表初受験

という場合です。

簿記論はすでに基本講義を終えている。

前年テキストもある。

今年は上級・演習中心。

であれば、

初学2科目を同時に始めるより負荷を抑えやすくなります。

そのため、

「働きながら2科目は無理だった」

ではなく、

1年目に1科目を作り、2年目から再受験+新科目の2科目へ広げる

方法があります。

税理士試験の科目合格制と相性のよい進み方です。

最初から2科目セットを買うと「片方を捨てにくい」問題もある

2科目セットを契約すると、

「せっかく買ったから両方やらないと」

と思いやすくなります。

仕事が忙しくなり、

明らかに2科目が回らなくなっても、

両方の講義だけは追い続ける。

すると、

どちらも復習不足

になることがあります。

本来なら、

今年は簿記論へ集中。

財表は翌年。

と切り替えた方がよいケースでも、

購入済みであることが判断を邪魔します。

購入した科目数と、実際に合格を狙う科目数を無理に一致させない

ことも必要です。

1科目講座なら途中で「もっとできる」と分かってから増やせる

反対に、

最初は1科目。

学習を始めてみる。

仕事との両立も問題ない。

復習も予定どおり。

という場合です。

次年度に、

1科目
→ 2科目

へ増やせます。

税理士試験は毎年科目構成を変えられるため、

最初の契約時に、

最終合格まで毎年何科目受けるか

を全部決める必要はありません。

実際の処理能力を確認してから科目数を増やす

方法があります。

2科目セットを選ぶなら「最低週」を見る

働く人は、

一番勉強できた週

ではなく、

忙しい週でも確保できる時間

を基準にした方が安全です。

例えば、

通常
→ 平日も勉強できる

繁忙期
→ 平日はほぼ無理

なら、

年間平均ではなく繁忙期を含めて考えます。

講義を後からまとめて見ることはできますが、

計算科目を何週間も触らないと、戻す時間も必要になります。

2科目なら、遅れも2科目分です。

通常月なら2科目できる、ではなく、仕事が忙しい月でも破綻しないか

を見ます。

1科目+翌年追加が向きやすい人

次の項目が多い人です。

  • 税理士学習が初めて
  • 働きながらの学習経験がない
  • 残業・繁忙期が読めない
  • 平日に勉強できない日が多い
  • まず1科目合格を優先したい
  • 講義を溜めやすい
  • 確実に復習する方を優先したい

この場合は、

1科目講座から始め、次年度に追加

する方法が使いやすくなります。

2科目セットが向きやすい人

次の項目が多い人です。

  • 平日にも継続的に学習できる
  • 土日にまとまった時間がある
  • 残業が比較的少ない
  • 日商簿記など会計知識がある
  • 簿財2科目を同時に進めたい
  • 講義だけでなく復習時間も確保できる
  • 5科目合格までの期間を短くしたい

この場合は、

2科目セット

を検討しやすくなります。

簿財2科目ならこの判断をする

状態まず検討
簿記学習も初めて・仕事も忙しい1科目から
簿記知識あり・学習時間も確保簿財2科目
平日は不安定・土日中心1科目寄り
定時中心・平日+休日学習可2科目も候補
最初の税理士受験で処理量が不明1科目からでもよい
簿財の関連知識をまとめて学びたい2科目セット
前年1科目を学習済み再受験+新科目の2科目も候補

これは予備校共通の公式基準ではありません。

各校の2027年向けコース構成やTACが示す講義ペースをもとに、働きながら科目数を決めるための目安です。

税法を組み合わせるなら科目の重さも見る

2科目同時受験は、

簿財だけではありません。

例えば、

簿記論+国税徴収法

のような組み方もあります。

TACも、学習時間を多く取れない人について、比較的講義回数の少ない科目と簿記論を組み合わせる学習例を示しています。

つまり、

2科目受けたい
↓
簿財しかない

でもありません。

今までの合格科目。

前提知識。

仕事の忙しさ。

によって、

重い科目+比較的取り組みやすい科目

という組み方もできます。

2科目セットを買う前に1週間だけ試してみる

迷う場合は、

実際に2科目分の学習時間を仮に確保してみる方法があります。

例えば1週間、

平日
→ 簿記論用

別の平日・週末
→ 財表用

復習
→ それぞれ確保

と予定を入れます。

これを、

「できそう」

ではなく、

実際に仕事をしながら回せるか

で確認します。

TAC・LECとも無料体験講義を用意しています。

講義時間だけでなく、

講義後に自分がどれだけ復習時間を必要とするか

を見ると、2科目の現実性を判断しやすくなります。

1科目から始めるなら次年度の科目まで考えておく

1年目を1科目にするなら、

その年だけで考えず、

次年度まで軽く設計しておきます。

例えば、

1年目
→ 簿記論

2年目
→ 財表+消費税

のようにします。

簿記論の学習経験ができたあとなら、

2年目の2科目は、

完全な初学2科目

ではありません。

このように、

最初に科目数を抑え、後から加速する

方法があります。

2科目セットを買うなら「両方落ちるリスク」も見る

2科目受験には、

2科目合格できる可能性

がある一方、

勉強時間が分散して、

両方不合格

になるリスクもあります。

例えば、

簿記論だけなら合格レベルまで進めた。

しかし財表も追加したため簿記論の総合問題演習が不足した。

という状態です。

そのため、

2科目受験で重要なのは、

2科目分勉強できるかではなく、2科目とも合格レベルまで仕上げられるか

です。

講義を完走することが目標ではありません。

1科目受験は「弱気な選択」ではない

働きながら1科目だけ受験すると、

「時間がかかりすぎるのでは」

と思うかもしれません。

しかし、

1科目へ集中して合格
↓
翌年その科目を完全に外す

ことができれば、

翌年は別科目へ時間を移せます。

科目合格制だからこそ、

1科目を確実に消していく

戦略があります。

逆に毎年2科目を広げ、

両方中途半端になる方が長期化することもあります。

2科目セットか1科目かはこの順番で決める

  1. 今年本当に受けたい科目を決める
  2. その2科目に関連性があるか確認する
  3. 各科目の講義ペースを見る
  4. 講義後の復習時間まで考える
  5. 繁忙期でも回せるか確認する
  6. 無理なら1科目へ絞る
  7. 1科目にした場合の翌年追加科目を考える
  8. 最後に1科目講座・2科目セットを比較する

この順番なら、

「2科目パックがあるから2科目」

ではなく、

自分が合格レベルまで仕上げられる科目数から講座を選べます。

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働きながら2科目は「無理か」ではなく「2科目とも復習できるか」

働きながら税理士2科目を受験すること自体は珍しい設計ではありません。

TACには2027年向けに、

1年簿財パック
1年2科目フリーパック

があり、働きながら簿財2科目を並行する週間学習例も示しています。

LECにも簿財横断コースがあります。

一方、国税庁が示すとおり、税理士試験は科目合格制です。

1科目ずつでも受験できます。

だから、

仕事が比較的安定している
+
平日・休日とも勉強できる
+
2科目分の復習までできる

なら、

2科目セット。

仕事の負荷が読めない。

税理士学習自体が初めて。

講義を溜める可能性が高い。

なら、

1科目講座から始め、次年度に追加。

と分けます。

重要なのは、

「2科目分の講義を見られるか」ではありません。

答練・問題演習・理論暗記まで含めて、

2科目とも合格レベルまで仕上げられるか

です。

1科目で始めても、翌年に2科目へ増やせます。

2科目で始めても、回らなければ1科目へ集中できます。

税理士試験は科目合格制だからこそ、

最初から最大の科目数を買うのではなく、仕事を続けながら確実に処理できる科目数から始めてください。

出典

この記事は、2026年8月時点の試験制度・各予備校公式情報をもとに作成しています。

国税庁「税理士試験の概要」、TAC「税理士講座 本科生・パック生」、TAC「税理士講座 申込プラン・コース・料金」、TAC「学習計画の立て方 短期合格を実現するために」、TAC「TRY!Web通信体感キャンペーン」、LEC「税理士 おためしWeb受講制度」、LEC「2027年合格目標 税理士コース・パック」