公認会計士の論文式だけ不合格|インプットを買い直さず答練中心に組み直す方法

公認会計士の論文式試験まで進んだものの、

「短答は合格しているのに、論文で不合格だった」

「もう一度インプット講義を全部買い直した方がいい?」

「論文答練と模試だけで組み直せる?」

と迷うことがあります。

結論からいうと、

論文式まで一通り学習済みで、基本知識も残っているなら、翌年はインプットを丸ごと買い直さず答練中心へ移せる人がいます。

前年の、

  • 基本テキスト
  • 論文講義
  • 答案作成方法
  • 自分の書き込み

を残し、

新年度は、

論文答練
+
模試
+
必要な弱点科目だけ補強

という構成です。

実際、TACの2027年向けには、短答免除者を対象に、

論文専攻上級本科生

とは別に、

上級論文答練本科生

が用意されています。

後者はアウトプット特化型です。

CPA会計学院も2027年向けに、

  • 各科目の論文対策講義
  • 上級答練・直前答練
  • 論文式模擬試験

を単科で販売しています。

つまり、

論文不合格だから、論文本科を全部もう一度

ではなく、

前年の不合格原因から、講義・答練・模試のどこを新しくするかを決められます。

まず論文不合格後は「総合順位」だけで判断しない

論文式試験では、

  • 会計学
  • 監査論
  • 企業法
  • 租税法
  • 選択科目

を受験します。

令和8年試験までの合格基準は、

得点比率52%を目安

として、審査会が相当と認めた得点比率です。

また、

1科目について得点比率40%に満たない場合は、不合格となることがあります。

さらに、論文式で不合格でも、

特定科目で高い成績を取ると、一部科目免除資格を得られる制度

があります。

したがって再受験では、

総合順位だけでなく、

5科目それぞれの得点・偏差・免除の有無

まで確認します。

公式資料

公認会計士・監査審査会|公認会計士試験に関するQ&A

2027年以降は論文式の合格基準が段階的に上がる

ここは再受験者にとって重要です。

2027年、令和9年試験から、

論文式試験の合格基準となる得点比率の水準は、

従来の52%から54%へ、

3~4年かけて段階的に引き上げる予定

です。

そのため、

前年と同じ答案レベルを再現するだけでは足りない可能性があります。

論文再受験では、

「去年あと少しだったから同じことを繰り返す」

より、

答案精度・安定性をもう一段上げる

ことが重要になります。

公式資料

公認会計士・監査審査会|令和9年公認会計士試験に係る見直しのポイント

一通り論文講義を終えているなら答練中心へ移せる

例えば前年、

論文講義
→ 全科目受講済み

租税法
→ 学習済み

選択科目
→ 学習済み

論文答練
→ 一通り経験済み

という状態です。

この人が、

会計学
監査論
企業法
租税法
選択科目

のインプット講義を全部最初から聞き直す必要性は下がります。

2年目は、

答練
↓
答案作成
↓
採点・復習
↓
不足論点だけ前年テキストへ戻る

という順番へ変えられます。

インプットしてからアウトプットする1年目から、アウトプットして不足部分だけインプットへ戻る2年目

へ変えるイメージです。

TACにはアウトプット特化の上級論文答練本科生がある

TACの2027年向け「上級論文答練本科生」は、

短答免除者向け・アウトプット特化

のコースです。

公式でも、

アウトプットに特化することで自習時間を多く確保し、

苦手論点を効率よく克服する

という位置づけです。

つまり、

論文インプットはすでに終えている。

必要なのは、

  • 答案作成量
  • 初見対応
  • 時間配分
  • 弱点発見

という人向けです。

論文不合格後に、

「また講義を全部受ける」

のではなく、

答練を学習の中心にする

商品構成が実際にあります。

公式資料

TAC|2027年合格目標 上級論文答練本科生

インプットも不安なら論文専攻本科との違いを見る

同じTACでも、

論文専攻上級本科生

があります。

こちらは、

短答免除者が論文式へ向けて、

講義を含めて学習するコースです。

つまり、

論文専攻上級本科生
→ 論文インプットも必要

上級論文答練本科生
→ インプット済みでアウトプット中心

という違いがあります。

前年、

論文科目を一通り勉強したが、

知識そのものがかなり抜けた。

租税法をほとんど理解できなかった。

選択科目も未完成。

という場合は、

答練だけではなく講義を含む方を検討します。

公式資料

TAC|公認会計士 コース一覧

CPAなら論文講義・答練・模試を分けて追加できる

CPA会計学院は2027年向けに、

  • 各科目 論文対策講義
  • 租税法 レギュラー講義
  • 租税法 速習講義
  • 経営学 レギュラー講義
  • 経営学 速習講義
  • 上級答練・直前答練
  • 論文式模擬試験

を単科販売しています。

そのため、

前年CPA生でも、

前年TAC・大原生でも、

例えば、

論文講義
→ 前年教材を継続

答練
→ CPA

模試
→ CPA

租税法だけ弱い
→ 租税法だけ講義追加

という組み方ができます。

論文再受験でも、全科目を同じ予備校で全部買い直す必要はありません。

公式資料

CPA会計学院|2027年目標 論文向け各講義・答練・模試

1科目だけ弱いなら、その科目だけインプットを戻す

例えば、

会計学
→ 安定

監査論
→ 安定

企業法
→ 安定

経営学
→ 安定

租税法
→ 明確に低い

という状態です。

この場合、

5科目全部の論文講義を買い直すより、

租税法だけ講義を追加

し、

他科目は答練で維持

という組み方ができます。

CPAでは租税法について、

レギュラー講義
速習講義

が用意されています。

前年、

基礎から弱かった
→ レギュラー寄り

一度学習済みだが整理不足
→ 速習寄り

というように状態で変えられます。

選択科目だけ低い場合も同じ

選択科目が経営学で、

経営学だけ大きく失点した場合です。

CPAでは、

経営学についても、

レギュラー講義
速習講義

が用意されています。

そのため、

他4科目
→ 前年教材+答練

経営学
→ 新しい講義+答練

とできます。

論文不合格者ほど、

5科目すべてを均等にやり直すのではなく、前年の得点差を使って学習時間を配分する

ことが重要です。

答練で伸ばすのは「知識量」だけではない

論文答練の役割は、

問題をたくさん知ることだけではありません。

例えば、

  • 問題文から論点を拾う
  • 答案構成を作る
  • 必要なキーワードを書く
  • 書きすぎない
  • 時間を使いすぎない
  • 分からない問題でも部分点を拾う

といった、

答案作成の実戦力

を鍛えます。

前年、

解説を見れば理解できる。

でも本試験答案には書けなかった。

という人なら、

講義を増やすより答練量を増やす方が直接的です。

TACのアクセス答練は弱点発見にも使える

TACの2027年向け「アクセス答練」は、

基本問題からハイレベル問題までを使って、

答案作成力を高めるアウトプット講座です。

公式でも、

問題演習を繰り返すことで、

理解不足や苦手分野を発見し、

効率的に弱点補強することを目的としています。

論文再受験では、

答練を、

実力確認ではなく弱点診断

として使う方法があります。

答練で低い
↓
その論点だけテキストへ戻る

という使い方です。

公式資料

TAC|2027年合格目標 アクセス答練

模試は「科目ごとの出来」だけでなく3日間の安定性を見る

論文式試験では、

複数科目を複数日にわたって受験します。

答練1回では取れても、

本試験になると、

初日の出来を引きずる。

後半で疲れる。

時間配分が崩れる。

ということがあります。

論文再受験者は、

模試で本試験全体を再現する

ことが重要です。

CPA会計学院も2027年向けに論文式模擬試験を単科販売しています。

答練で答案精度を上げ、

模試で本試験全体を確認する

と役割を分けます。

公式資料

CPA会計学院|2027年目標 論文向け各講義・答練・模試

合格ライン近くなら講義を増やしすぎない

前年、

全体として合格ライン付近。

特定科目の大崩れもない。

答案作成経験も十分。

という場合です。

この人が、

新年度になったから

という理由だけで、

全5科目の講義を一から受けると、

前年できていたインプットへ大量の時間を使います。

このタイプは、

前年教材
→ 継続

上級答練
→ 新年度

直前答練
→ 新年度

模試
→ 新年度

という構成まで小さくできます。

前年と同じ勉強を繰り返すより、答案を作る時間を増やす

方を優先します。

一部科目免除を取れているなら、その科目を外して組む

論文式試験で不合格でも、

成績が高かった科目については、

一部科目免除資格を取得できる場合があります。

現在の制度では、

合格者の平均得点比率を基準として、審査会が相当と認めた得点比率以上を得た科目が対象となり、

一定期間、論文式試験で免除を受けられます。

例えば、

監査論
→ 一部科目免除

となったなら、

翌年の勉強でも、

監査論を他の科目と同じ量やり直す必要性は大きく下がります。

免除科目は外し、残った科目へ時間を集中する

ことができます。

公式資料

公認会計士・監査審査会|公認会計士試験に関するQ&A

科目免除があるなら講座側の対応も確認する

TACでは2027年向けの上級本科について、

2026年論文式試験で科目合格が判明した人を対象とした、

科目合格返金制度

も案内しています。

つまり予備校側でも、

論文再受験者が、

「合格・免除した科目まで全部同じように受講する」

ことを前提にはしていません。

一部科目免除があるなら、

その科目をどこまで講座から外せるか、

申込時に確認します。

公式資料

TAC|公認会計士 科目合格返金制度

2027年以降は前年より答案の安定性を上げたい

2027年から、

論文式合格基準の得点比率水準は、

52%から54%へ段階的に引き上げられる予定です。

この変更は、

論文再受験者にとって重要です。

前年、

ギリギリ合格ラインに届かなかった

という人でも、

翌年は同じ得点比率を再現するだけでは足りない可能性があります。

そのため、

答練中心にする場合でも、

単に前年の答案を再現するのではなく、

  • 得意科目をさらに安定させる
  • 苦手科目の底上げ
  • 40%未満リスクを減らす
  • 時間不足を減らす

ことが必要です。

公式資料

公認会計士・監査審査会|令和9年公認会計士試験に係る見直しのポイント

インプットを買い直さずに組みやすい人

次の項目が多い人です。

  • 論文講義を全科目履修済み
  • 論文答練を経験している
  • 租税法・選択科目も一通り学習済み
  • 基本テキストを使い込んでいる
  • 不合格原因が答案精度・時間配分
  • 合格ライン近くまで来ている
  • 弱点科目が限定されている

この場合は、

前年教材+新年度答練+模試

を軸にし、

弱点科目だけ講義を追加します。

インプットも買い直した方がよい人

反対に、

  • 租税法が未完成
  • 選択科目が未完成
  • 論文講義を途中までしか受けていない
  • 基本論点そのものを説明できない
  • 複数科目で大きく失点
  • 答練でも何を書けばいいか分からない

なら、

アウトプットだけでは足りません。

この場合は、

論文専攻本科など、

インプットを含む論文専用コース

を検討します。

答練中心にすることが目的ではなく、

前年のインプットを残せる人だけ小さくします。

論文不合格の状態から組み直すと

前年の状態まず検討
全科目講義済み・合格ライン近く答練+模試
1科目だけ弱い弱点科目講義+答練
租税法だけ弱い租税法講義+答練
選択科目だけ弱い選択科目講義+答練
答案作成力が弱い答練中心
時間配分・本番で崩れる答練+模試
複数科目の基本知識不足論文専攻本科
一部科目免除あり免除科目を外して残りを重点補強

つまり、

論文式不合格だから論文本科

ではありません。

前年の学習完成度と科目別成績から、

どこまで講義を残すかを決めます。

本科を買い直さず組むならこうなる

例えば、

前年基本テキスト
→ 継続

前年論文講義
→ 必要なときだけ復習

上級答練
→ 新年度

直前答練
→ 新年度

模試
→ 新年度

租税法だけ低い
→ 租税法講義だけ追加

という構成です。

一部科目免除があれば、

その科目はさらに削れます。

2年目は、

新しい講義を増やすより、新しい答案を書く量を増やす

形へ移しやすくなります。

論文不合格後はこの順番で決める

  1. 論文5科目の得点・順位を確認する
  2. 一部科目免除を取得できたか確認する
  3. 弱点が1科目か複数科目か分ける
  4. 基本知識不足か答案作成不足か分ける
  5. 基本知識が残っていれば講義を買い直さない
  6. 新年度の論文答練を中心にする
  7. 弱点科目だけ講義を追加する
  8. 模試で複数科目を通した安定性を確認する

この順番なら、

「論文に落ちたから今年も全部」

ではなく、

前年に完成している部分を残しながら必要なところだけ新しくできます。

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論文式まで進み、

全科目のインプットを一通り終えているなら、

翌年は、

講義
→ メイン

から、

答練
→ メイン

へ移せる可能性があります。

基本知識は前年教材。

新年度は上級答練・直前答練。

最後に模試。

弱い科目だけ新しい講義。

一部科目免除があれば、その科目は外す。

と組みます。

TACには2027年向けにアウトプット特化の「上級論文答練本科生」があります。

CPA会計学院も論文講義・上級答練・直前答練・模試を個別に追加できます。

一方、複数科目の知識自体が崩れているなら、論文専攻本科などインプットを含むコースへ戻ります。

2027年からは論文式の合格基準水準も段階的に引き上げられる予定です。

だからこそ2年目は、

前年と同じ講義を繰り返すより、前年より安定した答案を作れる状態へ変える

ことを中心に組み直してください。

出典

この記事は、2026年8月時点の試験制度・各予備校公式情報をもとに作成しています。

公認会計士・監査審査会「公認会計士試験に関するQ&A」、公認会計士・監査審査会「令和9年公認会計士試験に係る見直しのポイント」、CPA会計学院「2027年目標 論文向け各講義・答練・模試の販売開始日について」、TAC「2027年合格目標 上級論文答練本科生」、TAC「公認会計士 コース一覧」、TAC「2027年合格目標 アクセス答練」、TAC「公認会計士 科目合格返金制度」