社会人の公認会計士講座|受験機会ではなく週の勉強時間からコース期間を決める

社会人が公認会計士講座を選ぶとき、

「12月短答を受けられるコースの方が得?」

「短答を3回・4回受けられる長期コースの方が安心?」

「1.5年と2年ならどちら?」

と、受験回数や合格目標年度から選びやすくなります。

しかし、仕事を続けながら受験するなら、

先に見るべきなのは受験機会ではなく、毎週どれだけ勉強時間を確保できるか

です。

短答を4回受けられるコースでも、

毎週の講義・復習を消化できなければ意味がありません。

反対に、

長めの2年コースでも、

試験直前には学習量が増えます。

そのため、

「何回受験できるか」ではなく、「平常週と直前期に何時間確保できるか」からコース期間を決める

方が社会人には現実的です。

社会人は最初に「1週間の勉強可能時間」を出す

まず、

理想の勉強時間

ではなく、

仕事を続けながら毎週繰り返せる時間

を出します。

例えば、

平日
→ 1日1.5時間×5日

土曜
→ 4時間

日曜
→ 4時間

なら、

週15時間前後です。

一方、

平日
→ 2時間×5日

土日
→ 各6時間

なら、

週22時間前後になります。

同じ社会人でも、

週15時間と週25時間では選べるカリキュラムが変わります。

さらに、

決算期
繁忙期
残業
出張

があるなら、

「平均20時間取れる」

ではなく、

忙しい週でも最低どこまで確保できるか

を見ます。

TACの2年コースを見ると「2年なら楽」とは言えない

TACの2028年合格目標「2年S本科生」は、

仕事・学業と両立しながらじっくり学習できるコースとして設定されています。

入会当初は、

週2~4講義程度

のペースです。

さらにTACは、1講義について、

講義約3時間+復習3時間以上

を一つの目安として示しています。

カリキュラム後半では、

週4~5講義
週5~6講義

程度になる時期もあります。

単純に当てはめると、

週2~3講義
→ 講義+復習で少なくとも週12~18時間程度

週4~5講義
→ 週24~30時間程度

週5~6講義
→ 週30~36時間程度

が一つのイメージになります。

もちろん実際の必要時間には個人差があります。

重要なのは、

2年コースを選べば、最後まで週10時間程度で進められるわけではない

ということです。

長期コースは前半の負担を緩やかにできますが、短答・論文が近づけば学習量は増えます。

週10~15時間程度なら短期コースを基準にしない

仕事が忙しく、

通常週で確保できるのが、

週10~15時間程度

という場合です。

この状態で、

「次の12月短答に受けられる」

という理由から短期コースを選ぶと、

講義を見るだけで時間を使い切る可能性があります。

公認会計士学習では、

講義
↓
問題演習
↓
復習
↓
解き直し

まで必要です。

動画を見る時間だけを勉強時間として計算できません。

週10~15時間程度しか継続できないなら、

2年程度の長めのコースを基準

に考えやすくなります。

場合によっては、

最初の短答を無理に受験せず、

次の受験機会へ照準を合わせる判断もあります。

週15~20時間程度なら1.8~2年型を考えやすい

平日と休日を合わせ、

週15~20時間前後

を継続できる社会人です。

このあたりになると、

仕事との両立を前提にした1.8年~2年程度のコースが候補になります。

CPA会計学院の2028年向け「1.8年スタンダードコース」は、

仕事や学業との両立を目指す人

向けとして用意されています。

学習開始直後は会計学を重点的に進め、

初回短答までの期間を長めに取って、自習時間を確保する構成です。

つまり、

短答の受験回数を増やすことより、

1回目の短答までに復習できる期間を確保する

考え方です。

CPAにはさらに時間を確保しにくい人向けの1.8年ストレートもある

CPA会計学院の2028年向けには、

1.8年ストレートコース

もあります。

社会人や忙しい学生など、

学習時間を確保しにくい人にも取り組みやすいカリキュラムとして新設されています。

特徴的なのが、

復習負担の大きい計算科目を、

週2~3コマ程度

のペースで進めることです。

受験機会を増やすより、

5月短答
↓
8月論文

へ照準を絞り、

限られた週の学習時間の中で復習を回すこと

を優先した設計です。

社会人にとっては、

「短答を何回受けられるか」

より、こちらの考え方の方が参考になります。

週20~25時間程度取れるなら選択肢が広がる

通常週でも、

週20~25時間程度

確保できるなら、

1.5~1.8年程度のコースも現実的になってきます。

例えば、

平日2時間
+
土日各5~7時間

程度です。

TACの2027年「1.5年L本科生」は、

約1年8か月の受講期間で、

学生だけでなく社会人も対象にしています。

比較的長めの入門・基礎期間を取りながら、

12月・5月の短答2回へ対応する設計です。

このくらいの学習時間を確保できるなら、

2年に伸ばさなくても、

1.5~1.8年程度でカリキュラムを回せる可能性があります。

ただし、

繁忙期に週10時間以下へ落ちることが何か月も続く

のであれば、もう一段長いコースの方が安全です。

週25~30時間以上なら短期型も見えてくる

仕事をしていても、

平日早朝・夜
休日

をかなり学習へ使えて、

週25~30時間以上を継続できる

人もいます。

この場合は、

1年~1.5年程度の短期コースも候補になります。

ただし社会人の場合、

週30時間を一度作れるか

ではなく、

半年・1年単位で続けられるか

を見る必要があります。

月曜日から金曜日まで残業した週でも続けられるか。

繁忙期でも大きく崩れないか。

ここまで考えます。

短期コースを選んで、

最初の3か月だけ週30時間
その後週10時間

になるより、

長期コースで週20時間前後を継続する方が進みやすい場合があります。

1年コースは「社会人だから無理」ではない

CPA会計学院には1年程度の短期型コースもあります。

これは、

一定のペースを維持し、

5月短答から8月論文まで短期間で進める人向けです。

社会人でも、

残業が少ない。

在宅勤務が多い。

通勤時間が短い。

休日をかなり学習へ使える。

などの条件がそろえば不可能とは限りません。

ただし、

「社会人だから2年」「若いから1年」ではありません。

結局見るのは、

毎週の可処分時間です。

週の勉強時間は「平常期」と「直前期」に分ける

社会人のコース選びで重要なのが、

年間を通して同じ時間を想定しないことです。

例えば、

平常期
→ 週18時間

短答直前
→ 週28時間

論文直前
→ 週30時間

まで増やせる人もいます。

この場合は、

普段から週30時間取れなくても、

試験が近づいたときに有給・休日・残業調整などで増やせれば対応できます。

反対に、

年間を通じて最大週15時間

しか取れないなら、

長めのコースを選んでも試験直前の負荷が問題になります。

平常週の時間と、直前期に増やせる上限の両方

を確認します。

社会人は「講義時間」だけでコースを決めない

例えば、

週に講義が3本。

1本3時間。

なら、

「週9時間なら余裕」

と思うかもしれません。

しかし実際には、

講義3本
+
復習
+
問題演習

があります。

TACも2年コースの案内で、

1講義3時間に対して、

復習3時間以上

を目安にしています。

したがって、

週3講義なら、

講義を見るだけで9時間。

同程度以上の復習時間を考えれば、

18時間以上になります。

社会人は、

講義を視聴できるかではなく、復習まで完了できるか

で判断します。

短答を4回受けられること自体をメリットにしすぎない

長期コースでは、

短答を複数回受験できる商品があります。

これは保険としては意味があります。

しかし、

短答4回対応だから安心

という理由だけで選ぶ必要はありません。

例えば、

週15時間しか取れないのに、

最初の短答へ無理に間に合わせる。

講義を急ぐ。

復習が遅れる。

答練まで回らない。

となれば、本末転倒です。

最初の短答を見送ってでも、

基礎・復習・問題演習が揃った状態で受験する

方がよい場合があります。

受験回数は、

コースを決める基準

というより、

予定どおり進まなかった場合の保険

くらいに考えます。

短答式は年2回あるので「最初の1回」を無理に取りにいかない

公認会計士の短答式試験は年2回あります。

2027年も、

第Ⅰ回短答
第Ⅱ回短答

があり、第Ⅱ回短答は5月23日の予定です。

その後、

8月20日~22日に論文式が予定されています。

社会人の場合、

「12月短答を受けられるからこのコース」

ではなく、

12月までに、

講義
復習
答練

まで完成するのか。

完成しないなら、

5月へ合わせる。

という方が自然です。

試験日から逆算する前に、自分の週間処理能力を確認する

という順番です。

大原も社会人向けに2年コースを置いている

資格の大原の「2年初学者合格コース」も、

社会人が仕事と両立できるゆとりの2年コース

として設定されています。

春・夏から早めに始め、

通常の生活の中で学習を継続する設計です。

これは、

社会人だから講義内容を減らす

のではなく、

同じ合格レベルまで進むための期間を長く取る

考え方です。

毎週の学習時間を増やせないなら、

学習範囲を削るのではなく、

期間を伸ばします。

社会人の週時間から考える目安

大まかには次のように考えられます。

継続できる学習時間コース期間の考え方
週10~15時間程度2年程度を中心に検討。最初の短答を無理に狙わない
週15~20時間程度1.8~2年程度を検討しやすい
週20~25時間程度1.5~1.8年程度も候補
週25~30時間以上1~1.5年の短期型も検討可能
週30時間以上を長期継続可能短期合格型も選びやすい

これはCPA・TAC・大原が公式に示している共通の時間基準ではありません。

各校の現行コースの対象者・講義ペースと、TACが示している講義+復習時間をもとに整理した、

社会人が最初にコースを絞るための目安

です。

また、直前期にはこの表より学習時間を増やす必要が出る可能性があります。

週15時間でも「毎週15時間」なら価値がある

社会人の勉強では、

週30時間取れる週と、

週0時間の週

を繰り返すより、

毎週15~20時間を継続できる方がカリキュラムを管理しやすくなります。

特に計算科目は、

数週間触らない

と戻す時間が必要になります。

そのため、

休日だけ10時間まとめて勉強する

より、

平日にも少しずつ触れる方が進めやすくなります。

コース期間を決めるときも、

最大値ではなく、継続値

を使います。

仕事の繁忙期が決まっているなら先にカレンダーへ入れる

例えば、

3月
→ 決算

4~5月
→ 繁忙

12月
→ 業務集中

などが分かっている場合です。

その期間を通常月と同じ学習量で計算しません。

年間学習計画へ、

繁忙月
→ 学習量を落とす

通常月
→ 標準

直前期
→ 増やす

と入れます。

すると、

1.5年では詰まりそう。

2年なら余裕がある。

と判断しやすくなります。

社会人は試験カレンダーだけでなく、仕事のカレンダーも重ねてコースを選ぶ

必要があります。

通勤・昼休みは「補助時間」として考える

通勤電車で30分。

昼休みに30分。

スキマ時間を積み上げれば、週数時間になります。

CPA・TAC・大原ともWeb・デジタル教材を利用できるため、社会人はこうした時間も使えます。

ただし、

計算問題を本格的に解く。

答練を解く。

論文答案を書く。

といった学習は、まとまった時間が必要です。

そのため、

通勤時間を含めて週20時間

ではなく、

机に向かえる時間が何時間あり、スキマ時間をどこへ足せるか

で考える方が安全です。

受講期間が長ければ長いほど良いわけでもない

週25時間以上取れる人が、

安全だから3年近いプラン

を選べばよいとも限りません。

期間が長くなるほど、

最初に勉強した内容を忘れる。

モチベーションを維持する期間が伸びる。

法改正・教材更新が増える。

という面もあります。

十分な勉強時間を取れるなら、

必要以上に期間を伸ばさず、

1~1.5年程度で集中する方が合う人もいます。

短すぎても消化できない。長すぎても学習が間延びする。

だから週の学習可能時間から決めます。

コース期間を決めるならこの順番

  1. 平日の現実的な勉強時間を出す
  2. 土日の現実的な勉強時間を出す
  3. 1週間の継続可能時間を合計する
  4. 繁忙期にどこまで減るか確認する
  5. 短答・論文直前にどこまで増やせるか確認する
  6. その時間で講義+同程度の復習が可能かを見る
  7. 週の時間に合わせて1年・1.5年・1.8年・2年を比較する
  8. 最後に短答を何回受験できるか確認する

この順番なら、

「短答を3回受けられるからこのコース」

ではなく、

「この週時間なら、この期間で消化できる」

という選び方ができます。

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社会人は「受けられる試験」より「消化できる講座」を選ぶ

社会人が公認会計士講座を選ぶとき、

12月短答対応。

短答2回対応。

短答3回対応。

といった受験機会は分かりやすい判断材料です。

しかし、本当に重要なのは、

その試験までに講義・復習・問題演習を消化できるか

です。

週10~15時間しか継続できないなら、

長めの2年型を中心に考える。

週15~20時間なら、

1.8~2年型。

週20~25時間なら、

1.5~1.8年型まで広げる。

週25~30時間以上を長期継続できるなら、

短期型も検討する。

という順番で考えます。

CPAには仕事との両立向けの1.8年スタンダードや、時間を確保しづらい人向けの1.8年ストレートがあります。

TACは2年S本科生について、講義本数だけでなく復習時間まで含めた週間学習量の目安を示しています。

大原も社会人が仕事と両立するための2年初学者コースを用意しています。

社会人なら、

「次の試験に間に合う最短コース」ではなく、「仕事を続けても最後まで崩れない最短コース」

を選んでください。

出典

この記事は、2026年8月時点の各予備校・公的機関の公式情報をもとに作成しています。

CPA会計学院「公認会計士講座 コース・料金」、CPA会計学院「2028年目標 1.8年コース各種について」、TAC「公認会計士 初学者の方」、TAC「2028年合格目標 2年S本科生」、TAC「2027年合格目標 1.5年L本科生」、資格の大原「公認会計士 初学者合格コース・パック一覧」、公認会計士・監査審査会「試験実施スケジュール及び受験者へのお知らせ」