択一が基準点未満だった司法書士再受験|前年教材を残して何を追加すればいい?

再受験では、

「基準点未満だったから、入門講座をもう一度買い直すべき?」

「前年のテキストや過去問はそのまま使える?」

「中上級講座と答練だけ追加しても大丈夫?」

と迷いやすくなります。

結論からいうと、

択一が基準点未満だったからといって、前年教材を全部捨てて入門本科を買い直す必要があるとは限りません。

見るべきなのは、

  • 基準点まで何問足りなかったか
  • 午前・午後のどちらが弱かったか
  • 主要4科目とマイナー科目のどこで落としたか
  • 知識不足だったか、演習不足だったか
  • 前年教材をどこまで使い切ったか

です。

2026年度司法書士試験の択一式基準点は、

午前の部
→ 105点中84点(28問)

午後の部
→ 105点中75点(25問)

でした。

同じ「基準点未満」でも、

27問だった人
と
18問だった人

では、2年目に必要な講座はかなり違います。

この記事では、前年教材をできるだけ残しながら、入門・中上級・択一対策・答練のどこを追加するかを整理します。

まず前年教材は捨てない

2年目だからといって、

前年テキスト
前年過去問
前年の記述教材

を全部新品へ入れ替える必要はありません。

前年教材には、

  • 間違えた論点
  • 講義中の書き込み
  • 苦手箇所
  • 過去問の正誤記録
  • 自分なりの補足

が残っています。

1年間使った教材は、自分専用の復習教材になっています。

特に、

  • 基本テキスト
  • 過去問集
  • 記述ひな形
  • 自分で作ったまとめ

は、2年目もそのまま使える部分があります。

一方で、

  • 法改正
  • 新年度の答練
  • 新年度の模試
  • 最新年度の本試験問題

は更新する意味があります。

そのため2年目は、

前年教材を残す
+
不足している講義・演習だけ追加する

という考え方から始めます。

公式資料

法務省|令和8年度司法書士試験

基準点未満でも「何問足りなかったか」で分ける

2026年度の択一式基準点は、

午前28問
午後25問

です。

例えば午前択一で、

27問
→ あと1問

23問
→ あと5問

18問
→ あと10問

では、同じ基準点未満でも状況は違います。

講座を選ぶ目安としては、

基準点まで0~1問

本科を最初から買い直す優先度は低めです。

弱点科目の補強と答練を中心に考えます。

基準点まで2~4問

知識を整理し直す中上級講座と、答練・問題演習を候補にします。

基準点から5問以上離れている

知識の穴が広い可能性があります。

中上級で立て直せるのか、入門まで戻る必要があるのかを科目別に確認します。

これは試験制度上の公式区分ではありません。

2年目にどこまで戻るかを決めるための目安

です。

公式資料

TAC|司法書士試験情報・基準点

あと1問なら入門へ戻る前に失点原因を見る

例えば、

午前27問
基準点28問

だったとします。

この状態で、

「基準点未満だったから入門本科をもう一度」

と判断するのは早いでしょう。

1問不足した原因が、

  • 憲法を1問落とした
  • 刑法で迷った
  • 民法で読み違えた
  • ケアレスミス
  • 最後に答えを変えた

ということもあります。

主要科目の知識が十分にあり、ほとんどの問題を根拠を持って解けていたのであれば、

必要なのは初学者向け講義の再受講より、得点を安定させる演習

かもしれません。

このタイプなら、

前年テキスト
+
前年過去問
+
中上級講座
+
答練・模試

という構成を検討できます。

基準点から大きく離れていたら前年教材を使い切ったか確認する

例えば、

午前18問
午後17問

のように、両方とも基準点から大きく離れていた場合です。

この場合は基礎から見直す必要性が高くなります。

ただし、それでもすぐに、

「新しい入門本科を買う」

とは決めません。

まず前年の学習状況を確認します。

講義を最後まで聞いたか

会社法・商業登記法やマイナー科目まで一通り終えたか。

過去問を回したか

講義を聞くだけで、過去問演習がほとんどできていなかったのか。

復習したか

一度聞いた講義をそのままにしていなかったか。

試験範囲を一周できたか

直前期まで不動産登記法や商業登記法を勉強していて、憲法・刑法などへ届かなかったのか。

もし、

教材の内容ではなく、前年教材を十分使えていなかった

のであれば、新しい教材を買っても同じことになる可能性があります。

まず前年教材を使い切る方法を検討します。

択一が低かった理由を「知識不足」と「演習不足」に分ける

同じ20問でも原因は違います。

問題を見ても論点自体が分からない

これは知識不足です。

インプットを追加する必要があります。

テキストを見れば分かるのに本試験では切れない

知識はあるものの、問題で使えていません。

この場合は、

演習不足

の可能性があります。

時間に追われて判断が雑になった

午後択一や記述との時間配分に問題がある場合です。

この場合も、講義を増やすより、

時間を計った答練

の方が必要なことがあります。

つまり、

択一基準点未満
=
講義不足

ではありません。

主要4科目が弱いなら知識の再構築を優先する

司法書士試験では、

  • 民法
  • 不動産登記法
  • 会社法
  • 商業登記法

の主要4科目が大きな比重を占めます。

例えば、

民法
→ 大きく失点

不動産登記法
→ 半分程度

会社法・商業登記法
→ 得点が安定しない

という状態なら、マイナー科目を数問増やすだけでは立て直しにくくなります。

この場合は、

主要4科目の知識を体系的に整理し直す

ことが先です。

ただし、前年に一通り学習しているのであれば、必ずしも初学者向け講座へ戻る必要はありません。

アガルートの2027年合格目標では、

入門総合講義・入門カリキュラム
→ 初学者向け

演習総合講義・中上級カリキュラム
→ 学習経験者向け

と分かれています。

中上級カリキュラムは、学習経験がある人を対象に、演習を通じて合格レベルまで引き上げる構成です。

公式資料

アガルート|2027年合格目標 演習総合講義・中上級カリキュラム

マイナー科目で数問落としているなら全科目をやり直さない

例えば、

民法
不動産登記法
会社法
商業登記法

はある程度取れているものの、

  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 供託法
  • 司法書士法
  • 憲法
  • 刑法

で失点している場合です。

この場合、

「択一基準点未満だった」

という理由だけで主要4科目まで入門から聞き直すと、時間を使いすぎる可能性があります。

前年教材を残して、

弱い科目だけ再インプット
+
全科目答練

という組み方も考えられます。

2年目は、

「全部を同じ強さでやり直す」

のではなく、

前年取れた科目の勉強時間を減らし、落とした科目へ移す

ことも重要です。

基準点近くなら中上級講座を追加する

前年に一通り勉強し、

基準点まであと数問

という人なら、中上級講座が候補になります。

アガルートの2027年合格目標「演習総合講義/中上級カリキュラム」は、司法書士試験の学習経験がある人向けです。

2027年向け中上級ライトには、

  • 演習総合講義
  • 記述過去問解説講座
  • 実力確認答練
  • 模擬試験
  • 重要法改正総ざらい講座

などが含まれています。

フルでは、これに択一過去問解説講座なども追加されます。

そのため、

前年テキストで基本知識を残す
↓
中上級で知識を再整理
↓
答練で得点できる形にする

という使い方ができます。

公式資料

アガルート|2027年合格目標 演習総合講義・中上級カリキュラム

入門講座を買い直した方がよい人もいる

入門を買い直す選択が間違いというわけではありません。

例えば、

  • 1年目に講義を完走できなかった
  • 民法の基本概念から理解があやしい
  • 不動産登記法を暗記だけで処理している
  • 会社法・商業登記法がほぼ未完成
  • マイナー科目まで学習できなかった
  • 過去問以前に基本知識が入っていない

という状態です。

この場合、

「2年目だから中上級」

と進むと、中上級講座で前提知識が足りなくなる可能性があります。

アガルートの入門カリキュラムも、初学者だけでなく、

もう一度基礎・基本からやり直したい学習経験者

を対象者として挙げています。

つまり判断基準は、

受験回数
ではなく
前年どこまで基礎を完成できたか

です。

公式資料

アガルート|2027年合格目標 入門総合講義・入門カリキュラム

過去問は取れるのに本試験で崩れたら「択一対策+答練」

例えば、

過去問ならかなり正解できる
↓
本試験では基準点未満

という人です。

このタイプは、

「過去問の答えを覚えている」
「テキストでは理解できている」

ものの、本試験形式で知識を使えていない可能性があります。

TACの2027年合格目標には、

答練本科生択一対策プラス

があります。

択一式突破に必要な知識のインプットと、答練・公開模試によるアウトプットを組み合わせ、択一で得点できる力を身につける構成です。

TACの2027年向け答練では、

択一1,120問
記述56問

を扱う構成が案内されています。

つまり、

初学者講義を全部受け直すのではなく、択一知識を整理して大量演習する

という選択肢があります。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生択一対策プラス

TAC|司法書士の答練・模試

答練だけ追加してよい人もいる

中上級講義すら必要ないケースもあります。

例えば、

  • 基準点まであと1問
  • 主要4科目は安定
  • 過去問は十分回した
  • 正誤理由まで説明できる
  • 本試験でミスが多かった
  • 初見問題への対応が弱かった

という人です。

この場合は、

前年テキスト
+
前年過去問
+
新年度答練
+
模試
+
法改正

でも十分な可能性があります。

TACの2027年合格目標「答練本科生」は、

  • 過去問学習期
  • 科目別論点学習期
  • 総仕上げ期

と段階を分け、答練・模試と法改正対策を組み合わせています。

このタイプは、

知識をもう一度全部入れるより、持っている知識を本試験の得点へ変える

方を優先します。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生

TACでは「基準点付近」を対象にした上級本科もある

2027年合格目標のTAC「上級本科生」は、

択一式が基準点付近の人向け

と明示されています。

内容も、択一・記述についてポイントを絞った解説と問題演習を中心に、実践力を養成する構成です。

つまり予備校側の商品設計を見ても、

択一基準点未満
=
初学者向け本科へ戻る

という一択ではありません。

基準点付近まで来ていれば、

学習経験者向け講義+演習

という選択肢があります。

公式資料

TAC|2027年合格目標 上級本科生

前年の過去問は買い直す?

過去問も、毎年必ず全部買い直す必要があるとは限りません。

前年の過去問集へ、

  • 正解した日
  • 間違えた回数
  • 苦手論点
  • テキスト参照ページ

などを書き込んでいるなら、その情報には価値があります。

一方、

  • 最新年度の本試験問題
  • 法改正の影響を受ける問題
  • 解説が古くなった部分

については更新が必要です。

そのため、

前年過去問を基本教材として残し、最新年度・法改正部分を追加する

という使い方ができます。

新年度で優先して追加したいもの

前年教材を残す場合でも、新年度版を追加する意味が大きいものがあります。

法改正対策

前年テキストを利用するなら、最新年度の法改正を補います。

答練

前年と同じ過去問だけを繰り返すと、問題そのものを覚えてしまいます。

初見問題を増やす意味があります。

模試

本試験と同じ時間制約の中で、得点できるか確認します。

最新年度の本試験問題

2026年度本試験も、翌年に向けた重要な復習材料になります。

つまり2年目は、

基本教材は残す。新年度情報と初見問題は追加する。

という組み方がしやすくなります。

択一が基準点未満でも記述を止めない

前年択一が基準点未満だった場合、

「まず択一を突破してから記述」

と考えたくなります。

しかし司法書士試験は、択一だけ取れても合格できません。

択一を上げるために一年間、

  • 択一講義
  • 択一過去問
  • 択一答練

だけを行い、記述を直前期から再開すると、今度は記述が間に合わない可能性があります。

そのため2年目は、

択一
→ 最優先で補強

記述
→ 継続して演習

という組み方が必要です。

TACの択一対策プラスも、択一対策だけで完結せず、答練・模試では記述問題も扱います。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生択一対策プラス

前年教材を残すか判断する

次のように確認すると分かりやすくなります。

テキスト

書き込み・復習記録が多い
→ 残す

ほとんど使っていない
→ 新しい教材より学習方法を見直す

過去問

何周もして理由まで説明できる
→ 初見問題を追加

1周も終わっていない
→ まず前年過去問を使い切る

講義

一通り理解して完走
→ 中上級・答練へ

途中で止まった
→ 入門再受講も検討

記述

継続して勉強している
→ 答練を増やす

ほとんど手を付けていない
→ 記述対策も並行する

古いから買い替えるのではなく、その教材からまだ取れるものが残っているか

で判断します。

前年成績別に追加するものを整理

前年の状態前年教材追加候補
基準点まで0~1問基本的に残す答練・模試・法改正
基準点まで2~4問残す中上級+答練
主要4科目が弱い一部残す中上級または入門再構築
学習自体が未完成使えるものは残す入門講義の再受講
過去問は取れるが本試験で崩れる残す択一対策+答練
マイナー科目だけ弱い残す弱点補強+答練

これは絶対的な線引きではありません。

ただ、

「基準点未満=入門本科を全部買い直す」

より、前年の失点原因に合わせて選びやすくなります。

2年目は教材を増やしすぎない

再受験では不安から、

前年教材
+
中上級本科
+
別校の択一講座
+
答練
+
市販過去問
+
記述講座

と増やしたくなることがあります。

しかし、教材を増やせば合格率が上がるとは限りません。

1年目で使い切れなかった教材があるなら、2年目にさらに増やす前に、

なぜ使い切れなかったのか

を確認します。

例えば、

教材量が多すぎた
→ 2年目は講義を減らして演習中心

仕事で時間が取れなかった
→ 講座数を減らす

過去問を後回しにした
→ 講義と同時に過去問を回す

という修正もできます。

再受験では、

何を買うかだけでなく、何を買わないか

も重要です。

択一基準点未満の2年目はこの順番で決める

最後に、買い直し判断を順番に整理します。

STEP1 基準点との差を見る

午前・午後それぞれ何問足りなかったか確認します。

STEP2 科目別失点を見る

主要4科目なのか、マイナー科目なのかを分けます。

STEP3 失点原因を分ける

知らなかった
→ インプット

知っていたが切れなかった
→ 演習

時間不足
→ 答練

ケアレスミス
→ 本試験形式の練習

と整理します。

STEP4 前年教材の消化率を見る

使い切っていない教材は、買い替える前に再利用を検討します。

STEP5 入門か中上級か決める

基礎自体が未完成
→ 入門も候補

一通り学習済み
→ 中上級を優先候補

とします。

STEP6 新年度答練・模試・法改正を追加する

前年教材では補えない部分だけ追加します。

つまり、

前年教材を捨てるかどうかではなく、残すものと新しく足すものを分ける

のが2年目の講座選びです。

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択一が基準点未満でも全部買い直す必要はない

司法書士再受験で択一が基準点に届かなかったとき、

「また最初から全部やり直さないといけない」

と思うかもしれません。

しかし、

あと1問だった人
と
10問足りなかった人

では必要な勉強が違います。

まず前年教材を残し、

基礎不足
→ 入門または中上級

知識整理不足
→ 中上級

択一演習不足
→ 択一対策+答練

本試験対応不足
→ 答練+模試

というように、足りない部分だけ追加します。

2年目は、

前年と同じ勉強をもう一度するのではなく、前年の成績から「何を残し、何を足すか」を決める年

と考えると、講座を選びやすくなります。

出典

この記事は、2026年8月時点の試験情報・各講座公式情報をもとに作成しています。

法務省「令和8年度司法書士試験」、TAC「司法書士試験情報・基準点」、アガルート「司法書士試験対策講座」、アガルート「2027年合格目標 入門総合講義/入門カリキュラム」、アガルート「2027年合格目標 演習総合講義/中上級カリキュラム」、TAC「2027年合格目標 上級本科生」、TAC「2027年合格目標 答練本科生」、TAC「2027年合格目標 答練本科生択一対策プラス」