公認会計士試験を始めるとき、
「最初から短答式・論文式まで全部入ったコースを契約するべき?」
「まず短答だけ買って、合格してから論文を追加した方がいい?」
「続けられるか分からないのに、最初から全部契約するのは大きすぎない?」
と迷うことがあります。
結論からいうと、
初学者だから必ず短答・論文を全部まとめて契約する必要があるわけではありません。
ただし、公認会計士試験は、
短答式に合格
↓
同じ年の論文式へ進む
という試験です。
そのため、
最初から短答・論文を一続きで勉強する総合コース
には合理性があります。
一方で、
仕事と両立できるか分からない。
まず短答合格を最優先したい。
高額な総合コースを最初から契約するのが不安。
という人なら、
短答対策から始め、論文対策を後で追加できる構成
もあります。
つまり、
全部入りか短答だけかは、
公認会計士になる意思の強さだけではなく、受験時期・学習時間・短答後すぐ論文へ進みたいか
で決めます。
公認会計士試験は短答と論文の2段階
公認会計士試験は、
短答式試験
↓
論文式試験
の2段階です。
短答式は年2回。
論文式は年1回です。
短答式の試験科目は、
- 財務会計論
- 管理会計論
- 監査論
- 企業法
です。
論文式では、
- 会計学
- 監査論
- 企業法
- 租税法
- 選択科目
が出題されます。
選択科目は、
- 経営学
- 経済学
- 民法
- 統計学
から1科目選びます。
つまり、
短答と論文は完全に別の試験ではありません。
財務会計・管理会計・監査・企業法など、
短答で作った知識を論文式でも使う
構造です。
そのため予備校の初学者向けでは、短答・論文を一体で学ぶ総合コースが多くなっています。
公式資料
短答に合格すると、その後の短答が一定期間免除される
短答式試験に合格すると、
その合格発表日から起算して2年を経過する日までに行われる短答式試験について、
申請により短答式試験の免除を受けることができます。
例えば、
短答合格
↓
その年の論文不合格
となっても、
翌年は短答からやり直すのではなく、
短答免除を使って論文式から受験
できます。
このため、
「まず短答だけ突破して、論文はその後」
という戦略そのものは成立します。
ただし、短答合格後に初めて論文科目を一から勉強し始めると、その年の論文式までの時間が短くなる場合があります。
ここが、
最初から論文対策まで買うかどうか
を分けるポイントです。
公式資料
最短で一発合格を狙うなら短答・論文一括が自然
例えば、
公認会計士になることを決めている。
学習時間をしっかり確保できる。
短答に受かった年の論文まで一気に受かりたい。
という人です。
この場合は、
短答+論文を最初から含む総合コース
が自然です。
CPA会計学院の初学者向けでも、
短答式合格
↓
論文式合格
までを一つの受講期間で狙う総合コースが中心です。
短答対策だけではなく、
論文式で必要になる租税法や選択科目なども含め、
最終合格から逆算して学習を進めます。
短答に合格してから、
「論文講座はどれを買えばいい?」
と探し直す必要もありません。
公式資料
短答だけ先にすると、論文への移行が遅れることがある
短答だけを契約する最大の注意点は、
短答合格後に論文学習を始めると遅い場合がある
ことです。
公認会計士試験では、
第Ⅱ回短答式が5月ごろ、
論文式が8月ごろ
に行われます。
5月短答に合格してから、
租税法
選択科目
論文答案の書き方
を本格的に始めると、
論文まで数か月しかありません。
そのため、
5月短答
↓
同年8月論文
の一発合格を強く狙うなら、
短答合格前から論文対策も少しずつ進める
総合コースのメリットが大きくなります。
まず短答だけに絞る意味がある人もいる
一方、
公認会計士学習が初めて。
仕事が忙しい。
毎日どれくらい勉強できるかまだ分からない。
簿記・会計も初めて。
という人です。
この状態で、
短答・論文を含む長期総合コースを契約しても、
短答段階で学習が止まれば論文部分を使わない可能性があります。
この場合は、
まず短答合格を第一目標にする
考え方があります。
特に、
短答を突破できる学習習慣を作れるか確認したい
という人なら、
短答中心で始める意味があります。
大原は短答と論文を分けて追加する構成もある
大原の2027年向けには、
短答集中合格パック
を受講した人向けに、
論文対策初学者合格コース
を追加する構成があります。
大原は公式に、
短答集中合格パック
+
論文対策初学者合格コース
を組み合わせて、
短答から同年8月の論文式まで狙う方法を案内しています。
つまり、
最初から短答・論文全部入りだけが公認会計士講座の選択肢ではありません。
短答を先に契約し、
その後論文を追加する商品設計も実際にあります。
ただし大原の論文対策初学者合格コースは、対象となる短答パック受講者向けで、論文だけ単独では申し込めない形になっています。
公式資料
「分けて買う=短答合格まで論文を一切やらない」ではない
ここは分けて考えた方がよいです。
契約を、
短答
↓
論文
と分けることと、
勉強を、
短答合格まで短答だけ
↓
合格後に初めて論文
とすることは別です。
短答優先で契約していても、
短答の勉強が進んだ段階で、
論文対策を追加することはできます。
例えば、
簿記・財務会計の基礎が固まった。
短答模試でも合格圏が見えてきた。
勉強を継続できそうだ。
という時点で論文側を追加します。
これなら、
最初の契約負担を抑えつつ、短答合格後の論文開始が遅れることも避けやすくなります。
12月短答を狙うなら論文を後から追加しやすい
短答式試験は年2回あります。
一般的には、
第Ⅰ回
→ 12月
第Ⅱ回
→ 5月
です。
12月短答に合格できれば、
翌年8月の論文式まで比較的長い期間があります。
そのため、
まず12月短答を優先
↓
短答後に論文へ重点移行
という設計を取りやすくなります。
逆に、
5月短答
↓
8月論文
では期間が短いため、
論文対策を完全に後回しにするリスクが高くなります。
どの短答を第一目標にするか
も、契約範囲を決める判断材料です。
CPAは初学者向け総合コースで短答・論文を一続きにする
CPA会計学院の初学者向けコースでは、
学習専念型
仕事・学業との両立型
短期合格型
など、生活状況に応じた総合コースが用意されています。
例えば現行の初学者向けでは、
学習開始から短答式を複数回受験できる期間を確保し、
その後の論文式までサポートするコースがあります。
つまりCPAでは、
短答だけを独立したゴールにするより、最終的な論文合格まで含めて学習計画を作る
商品設計が中心です。
公認会計士になることが決まっており、
長期的に勉強する意思が固いなら、
こうした一括型は選びやすくなります。
公式資料
TACも短答と論文を一続きで組むコースがある
TACの2027年向けでも、
短答式
+
論文式
を一続きで目指すコースがあります。
例えば学習経験者向けの上級ストレート本科では、
5月短答
↓
8月論文
のストレート合格を狙います。
また短答合格・免除者向けには、
論文専攻上級本科生
など、論文部分だけへ切り替えるコースもあります。
さらに、
- 短答対策講義
- アクセス答練
- 論文答練
などの単科販売もあります。
つまりTACも、
最初から一括
途中から論文だけ
必要科目だけ単科
と学習段階によって切り分けられます。
公式資料
初学者で会計知識ゼロなら短答だけに集中する選択もある
簿記も初めて。
財務会計の計算も初めて。
という人の場合、
最初から、
租税法
経営学
論文答案
まで気にすると、学習範囲が大きく見えます。
このタイプなら、
まず、
- 財務会計論
- 管理会計論
- 監査論
- 企業法
の短答4科目を軸に、
基礎学習を進める方法があります。
短答学習を続けられると分かってから、
論文側を追加する。
という段階型です。
ただし、
公認会計士を本気で最短合格したいなら、論文追加を遅らせすぎない
ことが重要です。
仕事と両立する人は一括契約でも学習順序を分ける
仕事をしながら公認会計士を目指す場合、
短答・論文全部入りを契約したからといって、
全講座を同時並行する必要はありません。
例えば、
初期
→ 財務会計・管理会計中心
次
→ 監査・企業法
短答が近づく
→ 短答演習中心
短答後
→ 論文科目・答案演習を増やす
というように、学習の比重を変えられます。
したがって、
契約範囲と、今勉強する範囲は別
です。
「全部入りは学習量が多すぎる」
と感じても、カリキュラム上で段階的に進められるなら一括契約が合う場合があります。
続けられるか不安なら最初から全部契約しない判断もある
公認会計士講座は学習期間も長く、
講座の規模も大きくなります。
そのため、
「とりあえず資格を取れたらいい」
くらいの段階で、
最終論文合格まで含むコースを契約する必要はありません。
例えば、
簿記の勉強が合うか。
毎週継続できるか。
仕事との両立が可能か。
を確認してから範囲を広げてもよいでしょう。
特に、
公認会計士を目指すこと自体がまだ検討段階
なら、
最初から最大構成を選ばない方が安全です。
短答だけから始めやすい人
次の項目が多い人です。
- 公認会計士学習が完全に初めて
- 簿記・会計知識が少ない
- 仕事と両立できるか分からない
- まず短答合格を一つの目標にしたい
- 12月短答を狙っている
- 総合コースを使い切れるか不安
- 後から論文対策を追加できる講座を選べる
この場合は、
短答を先に契約し、学習状況を見て論文を追加
という方法があります。
最初から短答・論文一括が向きやすい人
次の項目が多い人です。
- 公認会計士になると決めている
- 学習時間を確保できる
- 最短合格を狙う
- 5月短答から同年8月論文まで狙いたい
- 租税法・選択科目も早めに進めたい
- 講座を途中で選び直したくない
- 長期間学習する前提で予備校を選んでいる
この場合は、
短答・論文を含む総合コース
の方が学習計画を作りやすくなります。
短答だけか一括かを整理すると
| 状態 | まず検討 |
|---|---|
| 公認会計士になる意思が固い | 短答+論文一括 |
| 最短の一発合格を狙う | 短答+論文一括 |
| 5月短答→8月論文を狙う | 一括寄り |
| 12月短答を最優先 | 分割も検討 |
| 続けられるか不安 | 短答から |
| 仕事との両立が未知 | 短答から・段階追加 |
| 短答合格が見えてきた | 論文を追加 |
| 短答免除あり | 論文対策中心 |
つまり、
初学者だから一括
でも、
短答が先だから短答だけ
でもありません。
最終合格までの時間の使い方で決めます。
2027年試験では制度変更も確認してから講座を選ぶ
2027年公認会計士試験では、試験制度の変更があります。
公認会計士・監査審査会は、
短答式の財務会計論・管理会計論・監査論で、一部英語による問題を出題する
と案内しています。
また、論文式についても、
合格基準となる得点比率の水準を段階的に引き上げる予定です。
そのため2027年以降を目標にする場合は、
前年版の古い講座ではなく、
2027年試験の変更に対応した講座か
も確認する必要があります。
TACでも2027年向けに短答英語対策を単科販売しています。
講座を分けて購入する場合ほど、
短答だけ古い教材
論文だけ新しい教材
のように年度がずれないよう注意してください。
公式資料
公認会計士・監査審査会|令和9年公認会計士試験 第Ⅰ回短答式試験に係る見直し
公認会計士を始めるならこの順番で決める
- 何月の短答式を最初の目標にするか決める
- 週にどれくらい学習時間を確保できるか確認する
- 公認会計士になる意思がどこまで固いか確認する
- 短答後すぐ同年論文を狙うか決める
- 一発合格を狙うなら短答・論文一括を検討する
- 継続できるか不安なら短答中心から検討する
- 分ける場合は論文を後から追加できるか確認する
- 2027年試験の制度変更へ対応した講座か確認する
この順番なら、
「高い総合コースだから安心」
でも、
「まだ短答だから論文はいらない」
でもなく、
自分の受験時期から必要な契約範囲を決められます。
短答だけで始めても、論文を考えずに始めない
公認会計士試験を始めるとき、
短答だけ先に契約する方法はあります。
ただし、
短答合格が最終目的ではありません。
最終的には論文式合格が必要です。
そのため、
短答だけを選ぶ場合でも、
いつ論文対策を追加するか
まで決めておく方がよいでしょう。
12月短答合格後に追加する。
短答模試で合格圏へ入ったら追加する。
財務・管理の基礎が終わったら追加する。
など、切り替え時点を決めます。
そうすれば、
短答だけに集中するメリットを取りつつ、
論文対策の開始が遅れすぎることも避けられます。
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最初から全部買うかは「短答合格後、すぐ論文へ行くか」で決める
公認会計士を始めるとき、
短答・論文を全部一括で契約する方法も、
短答から始めて論文を後で追加する方法もあります。
最短で、
短答
↓
同年論文
まで一気に合格したいなら、
短答・論文一括
が使いやすくなります。
一方、
まず学習を続けられるか確認したい。
仕事との両立がまだ読めない。
12月短答を最初の目標にする。
なら、
短答から始め、途中で論文を追加
する方法もあります。
重要なのは、
「全部入りがお得か」
ではありません。
短答を突破した時点で、論文式へすぐ移れる学習状態を作っておく必要があるか
です。
契約を分ける場合でも、
論文対策をいつ追加するかまで決めたうえで始めてください。
出典
この記事は、2026年8月時点の試験制度・各予備校公式情報をもとに作成しています。
公認会計士・監査審査会「公認会計士試験に関するQ&A」、公認会計士・監査審査会「令和9年公認会計士試験 第Ⅰ回短答式試験に係る見直し」、CPA会計学院「公認会計士講座」、CPA会計学院「コース・料金」、TAC「公認会計士 コース一覧」、資格の大原「公認会計士 初学者合格コース・パック一覧」、資格の大原「2027年合格目標 論文対策初学者合格コース」
