不動産鑑定士の論文式だけ不合格|短答教材を買い直さず論文対策だけ組み直す方法

短答式には合格した。

論文式も一度受験した。

しかし、最終合格には届かなかった。

この状態で翌年の講座を探すと、短答から論文まで含まれたコースも出てくるため、

「また全部買い直したほうがいいのか」

と迷いやすくなります。

ただし、短答式合格者は、翌年と翌々年の短答式試験が免除されます。

短答免除期間中に再挑戦するのであれば、最初に考えるべきなのは短答教材の買い直しではありません。

一度受けた論文式試験で何が足りなかったのかを分け、その不足部分だけを補うことです。

論文の基礎知識から不足しているなら講義を含むコース。

知識はあるが答案を書き切れないなら答練中心。

特定科目だけ弱いなら、その科目の補強。

このように組み直せれば、初年度と同じフルコースへ戻る必要がない場合があります。

短答合格後は翌年・翌々年の短答式試験が免除される

国土交通省によると、不動産鑑定士試験の短答式試験に合格すると、翌年と翌々年の短答式試験が免除され、直接論文式試験を受験できます。

つまり、短答に合格した年に論文式で不合格だったとしても、翌年は原則として論文式対策へ集中できます。

この制度を考えると、

「不合格だったから、もう一度短答から全部やり直す」

とは限りません。

もちろん、鑑定理論は論文式でも重要です。短答で使った知識や教材を復習に使うことはあります。

しかし、それと短答対策講座を一式買い直すことは別です。

手元の教材で確認できる部分と、新しい講座が必要な部分を分けて考えたほうが、翌年の学習を組みやすくなります。

論文式だけ不合格なら、まず前年の不足を4つに分ける

再受験で最初にやりたいのは、講座比較ではありません。

前年の論文対策で何が不足していたのかを整理します。

大きく分けると、次の4パターンがあります。

前年の状態翌年に優先したい対策
基礎知識そのものが曖昧論文講義を含むコース
知識はあるが答案にできない答練・答案作成演習
科目ごとの差が大きい弱点科目の補強
一通りできるが本試験で点が安定しない答練・模試・添削中心

たとえば、民法や経済学の論点を聞かれても何を書けばいいか浮かばなかったのであれば、答案練習だけ増やしても改善しにくいでしょう。

逆に、論点は分かるのに時間内に答案をまとめられなかった人が、翌年も長時間の基礎講義を最初から聞き直す必要があるとは限りません。

同じ「論文式不合格」でも、買うべき講座は変わります。

基礎知識が不足していたなら論文講義から取り直す

論文式を一度受けたからといって、必ず答練中心へ移ればいいわけではありません。

次のような状態なら、論文講義を含むコースから組み直す余地があります。

  • 民法・経済学・会計学の基本論点でも答案構成に迷う
  • 鑑定理論の暗記が十分に進んでいない
  • 過去問を見ても、何を問われているのか判断しにくい
  • 初年度に講義を消化しきれないまま本試験を迎えた
  • 答練の解説を読んでも理解できない部分が多かった

2027年向けでも、アガルートには短答式を含まない「論文式試験対策カリキュラム」が用意されています。

論文科目の講義、論証集、問題演習などを組み合わせた構成なので、短答対策を買い直さず、論文部分だけをもう一度体系的に学び直す選択ができます。

LECにも2027年向けの「論文合格コース」があり、論文学習に専念する構成になっています。

一度論文を受けたとしても、基礎段階で抜けが多かった人なら、こうした論文専用コースを選ぶほうが組み直しやすいでしょう。

知識があるなら答練中心へ切り替える

一方で、前年の教材を一通り消化できていて、主要論点も理解しているなら、講義の最初からやり直す必要性は下がります。

この場合に不足しやすいのは、

「知っていることを本試験の答案として出す練習」

です。

TACの2027年向けには、論文式試験の受験経験者を対象とした「上級答練本科生」があります。

基本講義や上級講義などのインプットが済んでいる人を対象に、応用答練、上級答練、直前答練、全国公開模試などを組み合わせたコースです。

同じTACでも「上級本科生」には上級講義などのインプットが含まれます。

つまり、

知識の補強から必要なら上級本科生。

インプットは足りていて答案練習を増やしたいなら上級答練本科生。

という分け方ができます。

LECにも2027年向けに、学習経験者を対象とした「論文徹底強化コース」が用意されており、過去問ベースの答練を使って答案作成力を強化する構成になっています。

再受験だから同じ講座をもう一周するのではなく、前年より一段アウトプット側へ移す選択肢があります。

論文式を一度受けた人は「講義か答練か」で分ける

翌年の講座を選ぶときは、予備校名から先に決めるより、まず自分に必要なのが講義なのか答練なのかを決めるほうが分かりやすくなります。

講義を含むコースが向く人

問題を見ても答案の材料が浮かばない。

論証や基本知識が抜けている。

前年の講義を消化できなかった。

この状態なら、インプットを残した論文専用コースや受験経験者向け本科コースが候補です。

答練中心が向く人

論点は分かる。

模範答案を読めば理解できる。

しかし、自分で書くと時間不足になる、答案構成が崩れる、点数が安定しない。

この状態なら、答練中心のコースへ寄せるほうが前年との差を作りやすくなります。

一部科目だけ弱い人

鑑定理論はある程度書けるが経済学が弱い。

民法だけ答案構成に時間がかかる。

このように弱点が限定されているなら、全科目を一律にやり直す必要があるかを確認します。

単科講座やオプション講座が利用できる場合は、弱点科目だけ追加する方法も候補になります。

短答教材は捨てずに手元の復習用として残す

短答式対策を買い直さないからといって、前年の短答教材が不要になるわけではありません。

特に鑑定理論は論文式でも使います。

手元にあるテキストや過去問で確認できるなら、そのまま復習用として使えます。

重要なのは、

「短答教材を使うこと」

と

「短答講座をもう一度契約すること」

を分けることです。

法改正や教材更新など、新しい情報の確認が必要な部分はあります。

一方で、すでに身につけた基本事項まで最初から有料講義でやり直す必要があるかは別に判断できます。

短答対策付きコースを選ぶ必要があるケースもある

短答教材を買い直さない方針が使えるのは、短答免除期間内に論文式へ再挑戦する場合が中心です。

短答式合格の免除期間が終われば、再び短答式から受験する必要があります。

TACでも、受験経験者向けの「上級本科生」「上級答練本科生」とは別に、それぞれ短答対策付きのコースが用意されています。

これは、

短答免除が残っている人

と

再び短答を受験する必要がある人

では必要なカリキュラムが違うためです。

前年の短答合格年度を確認し、翌年も免除対象なのかを先に確認してから講座を選びます。

前年と同じ講座を買い直す前に確認したいこと

論文式で不合格になると、

「勉強量が足りなかったから、もっと大きなコースを買おう」

と考えやすくなります。

しかし、増やすべきものが講義とは限りません。

申込み前に、前年について次を確認します。

  1. 講義は最後まで消化できたか
  2. 基本論点を自力で説明できるか
  3. 時間を測って答案を書いた回数は十分だったか
  4. 添削された答案を復習したか
  5. 特定科目だけ大きく弱くなかったか
  6. 本試験で時間不足にならなかったか

講義をほぼ消化できなかったなら、同じ量の講座を買い直しても再び未消化になる可能性があります。

一方、講義は消化できたのに答案練習が不足していたなら、翌年は講義を減らして答練へ時間を回すほうが自然です。

講座を増やすのではなく、前年に足りなかった部分へ入れ替える発想が必要です。

不合格後の組み直し方をケース別に見る

ケース1 初年度に論文講義まで手が回らなかった

短答対策へ時間を使いすぎ、論文科目の学習が十分に進まないまま本試験を受けたケースです。

この場合は、翌年に短答が免除されることで論文へ使える時間が増えます。

論文専用のカリキュラムで民法・経済学・会計学・鑑定理論をもう一度整理する方法が向いています。

ケース2 講義は終わったが答案を書いた量が少なかった

知識はあるものの、時間内に答案を完成できなかったケースです。

翌年も基礎講義を大量に入れるより、答練や模試を中心にして答案作成の比率を上げる選択があります。

ケース3 一部科目だけ大きく崩れた

全科目を最初からやり直すより、弱い科目の原因を確認します。

知識不足なら講義。

書き方なら答練。

暗記不足なら既存教材の回転。

原因によって補い方を分けます。

ケース4 合格まであと少しだった

本試験で一定の答案を書けており、大きな知識不足もないなら、フルコースへ戻る必要性はさらに低くなります。

答練、添削、模試などを使いながら答案の精度を上げる方向を優先します。

論文対策だけに切り替えるなら講座名より中身を見る

同じ「論文対策コース」でも内容は同じではありません。

講座を比較するときは名称だけでなく、

  • 基礎講義が含まれるか
  • 答練が何段階あるか
  • 添削を受けられるか
  • 模試が含まれるか
  • 弱点科目だけ追加できるか
  • 既存教材との重複がどの程度あるか

を確認します。

特に再受験者は、教材が多いほど安心とは限りません。

すでに持っている教材と、新しく買う講座の内容が大きく重なると、費用だけでなく復習対象まで増えます。

前年の教材を土台にして、不足している機能だけ追加できないかを見ることが大切です。

短答免除期間なら「論文だけ買う」が有力な選択肢

短答合格後に論文式だけ不合格だった場合、翌年の講座選びは初学者のときとは変わります。

短答免除期間中なら、短答式対策を一式買い直す必要は原則ありません。

まず、

基礎知識が不足しているのか。

答案作成が不足しているのか。

特定科目だけ弱いのか。

を確認します。

基礎から不足しているなら論文講義を含むコース。

知識はあるなら答練中心。

一部だけ弱いなら単科や追加講座。

この順番で考えると、前年と同じフルコースを機械的に買い直さずに済みます。

不合格だったから全部やり直すのではなく、

「前年に足りなかったものだけ何か」

を決めてから契約するのが、論文再受験では重要です。

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講座を申し込む前に、自分に必要な部分を決める

論文式を一度受験しているなら、初年度と同じ条件で講座を選ぶ必要はありません。

まず前年の答案と学習状況を振り返り、

「講義が必要なのか」
「答練が必要なのか」
「一部科目だけ補えばいいのか」

まで決めてから、各スクールの論文向けコースを比較してみてください。

短答免除が残っている間は、論文対策へ学習時間と費用を集中させる選択ができます。

出典

国土交通省|不動産鑑定士試験

TAC|2027年合格目標 上級答練本科生・上級答練本科生(短答対策付)

アガルートアカデミー|2027年合格目標 不動産鑑定士試験対策講座

アガルートアカデミー|不動産鑑定士試験 各種割引制度

この記事は、2026年8月時点の公的機関・各資格スクールの公開情報をもとに作成しています。