司法書士の記述だけ弱い人の講座構成|記述講座・答練・模試をどこまで追加する?

この記事では、司法書士試験で択一式は一定水準まで取れているものの、

「記述だけ弱い」

という人が、2年目にどこまで講座を追加するかを整理します。

記述が弱いと、

「記述講座を最初から全部受けるべき?」

「答練だけ増やせばいい?」

「模試まで必要?」

と迷いやすくなります。

結論からいうと、

記述が弱い人全員が、記述講座・答練・模試を全部買う必要はありません。

必要なのは、

  • 解法そのものが分からない
  • 過去問なら解けるが初見問題で崩れる
  • 時間内に書き終わらない
  • 午後択一に時間を使いすぎる
  • 本試験形式になると得点が落ちる

のどこに問題があるかを分けることです。

大きく整理すると、

解法が弱い
→ 記述講座+答練

初見問題が弱い
→ 答練

時間配分が弱い
→ 答練+模試

本試験形式だけ崩れる
→ 模試まで追加

と考えると、買いすぎを防ぎやすくなります。

記述式は140点ある

司法書士試験の記述式は、2024年度から配点が変更されています。

以前は、

不動産登記法+商業登記法
→ 2問70点満点

でしたが、現在は、

2問140点満点

です。

一方、午後の部の試験時間は3時間のままです。

つまり現在は、

午後択一
+
記述2問

を3時間で処理しながら、記述で140点分を取りにいく必要があります。

記述が弱い人は、

「択一でカバーすればいい」

だけでは苦しくなりやすい試験構造です。

公式資料

法務省|司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について

まず「記述だけ弱い」の中身を分ける

記述が低かった人でも、必要な講座は同じではありません。

まず、次のどれに近いか確認します。

問題文を読んでも何をすればよいか分からない

記述の解法そのものが固まっていません。

過去問なら解けるが新作問題で崩れる

初見問題への対応力が足りません。

家で時間をかければ解ける

解法より、処理速度・時間配分の問題です。

本試験になると最後まで書けない

午後択一を含めた3時間全体の使い方を見直す必要があります。

この分類をせずに、

「記述が弱いから記述本科」

と決めると、必要以上に講座を買う可能性があります。

解法そのものが弱いなら記述講座を追加する

例えば、

  • 問題文をどこから読むか決まっていない
  • 別紙の見方が安定しない
  • 登記すべき事項を拾えない
  • 申請順序を毎回迷う
  • 答案をどう作るか定まっていない

という場合です。

この状態なら、答練を大量に解く前に、

解き方そのものを一度体系化する

意味があります。

TACの2027年合格目標「答練本科生記述対策プラス」では、記述式対策講座を全26回用意し、

問題文の読み進め方
↓
答案作成

までを体系化する構成になっています。

さらに、その解法を新作答練で実践する仕組みです。

このタイプなら、

記述講座+答練

をセットで考えやすくなります。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生記述対策プラス

知識はあるのに手が止まる人も記述講座向き

記述が弱い人の中には、

「択一知識はある」

「登記法も分かっている」

のに、記述問題になると手が止まる人もいます。

アガルートの2027年合格目標「記述・答練パック」は、

択一過去問を終え、記述の基準点突破を目指す学習経験者

を対象にしています。

公式ページでも、

  • 知識はあるのに記述式で手が止まる
  • 時間内に書ききれない

といった悩みを対象にしています。

つまり、

知識不足
ではなく
知識を答案へ変換できない

という人向けです。

この場合も、初学者向け本科へ戻るより、

記述に特化した講座+答練

を追加する方が直接的です。

公式資料

アガルート|2027年合格目標 記述・答練パック

過去問なら解ける人は記述講座を増やしすぎない

一方、

  • 不動産登記法の過去問は解ける
  • 商業登記法も答案を作れる
  • 論点もある程度分かる
  • 家で解けば一定点数になる

という人です。

この場合、長時間の記述講義をもう一度受ける必要性は下がります。

問題は、

新しい問題を本試験時間内に処理できるか

です。

このタイプは、

前年の記述教材
+
新年度答練

という構成をまず検討します。

TACの2027年向け「答練本科生」では、

択一1,120問
記述56問

の問題演習が用意されています。

記述講義を増やすより、

初見の56問を使って答案処理を鍛える

という方法です。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生

「記述だけ弱い」なら初見問題を増やす意味が大きい

記述過去問を何度も繰り返すと、

  • 登記すべき事項
  • 問題の仕掛け
  • 答案
  • 登録免許税

まで覚えてきます。

復習としては必要ですが、

初めて見る事案を処理する練習

とは別です。

本試験では新しい事案が出題されます。

そのため2年目は、

前年の記述過去問
→ 論点確認・解法確認

新年度答練
→ 初見対応

と役割を分けると使いやすくなります。

TACも標準の答練本科生を、

初見問題を多く解き、実戦力を高めたい人

向けとして案内しています。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生

時間内に書き終わらないなら答練だけではなく模試まで入れる

家で時間無制限なら解けるのに、

本試験では、

  • 不動産登記法を途中までしか書けない
  • 商業登記法まで届かない
  • 最後が空欄になる

という場合です。

このタイプは、

記述知識
ではなく
午後3時間全体の時間配分

に問題がある可能性があります。

司法書士試験午後の部では、

午後択一
+
記述2問

を3時間で解きます。

そのため、

記述問題だけ60分・70分で練習する

だけでは足りません。

本試験形式で、

  • 午後択一を何分で終えるか
  • 不動産登記法へ何分
  • 商業登記法へ何分
  • 見直し時間を残せるか

を確認する必要があります。

この場合は、

答練+全国模試

まで入れる意味があります。

公式資料

法務省|司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について

TAC|2027年合格目標 答練本科生

午後択一に時間を使っているなら記述講座だけ増やしても解決しない

例えば、

午後択一
→ 基準点は突破

しかし
→ 90分近く使う

残り時間
→ 記述2問に足りない

という場合です。

この場合、

「記述が弱い」

ように見えて、原因は午後択一にもあります。

記述講座を追加しても、午後択一に時間を取られ続ければ、本試験では同じことが起こります。

必要なのは、

  • 午後択一を早く正確に処理する
  • 記述へ一定時間を残す
  • 3時間通して答案を作る

練習です。

つまり、

記述だけ弱いように見えても、時間不足型なら全科目答練+模試

を選ぶ方が合う場合があります。

記述講座を追加しなくてもよい目安

次の項目が多く当てはまるなら、記述講座を新しく買わずに答練中心でもよい可能性があります。

  • 過去問の答案構成は自力でできる
  • なぜその登記が必要か説明できる
  • 申請順序を判断できる
  • 添付情報も一定程度書ける
  • 登録免許税まで処理できる
  • 時間をかければ合格水準に近い答案になる
  • 問題文の読み方が毎回同じ

この場合は、

知識・解法のインプットより、新作問題の演習量

を増やします。

前年記述教材を残し、

新年度答練
+
模試

を候補にします。

記述講座を追加した方がよい目安

反対に、次の項目が多いなら記述講座を追加する意味があります。

  • 毎回問題文の読み方が違う
  • 登記すべき事項を大きく外す
  • 枠ズレが多い
  • 別紙をどう処理するか分からない
  • 時系列整理ができない
  • 答案を書く前に長時間止まる
  • 解説を読んで初めて問題の意味が分かる

この場合、

いきなり大量答練
より
解法の型を作る

ことを優先します。

TACの記述対策プラスも、

記述式対策講座
+
答練

を組み合わせています。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生記述対策プラス

記述講座・答練・模試の役割はそれぞれ違う

3つを整理すると分かりやすくなります。

追加するもの主な役割
記述講座解法・答案作成方法を作る
答練初見問題を使って解法を実践する
模試午後択一を含め本試験時間で確認する

つまり、

3つとも同じ「記述対策」ではありません。

そのため、

記述が弱い
↓
全部購入

ではなく、自分の弱い工程だけ追加します。

解法が弱い人は「記述講座+答練」

最も分かりやすい組み方です。

前年教材
→ 択一・基本知識は継続

追加
→ 記述講座+答練

とします。

このタイプは、

  • 問題の読み方
  • 答案構成
  • 事実関係の整理
  • 申請順序

を記述講座で作り、

その方法を答練で繰り返します。

アガルートの記述・答練パックも、基礎の「型」から実践演習へ段階的に進む構成になっています。

公式資料

アガルート|2027年合格目標 記述・答練パック

解法がある人は「答練+模試」

記述過去問は解ける。

解法も決まっている。

しかし、

  • 初見問題で得点が落ちる
  • 時間が安定しない
  • 本試験になると最後まで行かない

という人です。

この場合は、

記述講座を新しく追加せず、答練+模試

という組み方があります。

TACの標準答練本科生は、初見問題を多く解く実戦型で、

択一1,120問
記述56問

を扱います。

記述講座を26回追加する「記述対策プラス」とは分かれています。

予備校側でも、

解法講義が必要な人
と
演習だけ増やしたい人

で商品が分かれていることが分かります。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生

TAC|2027年合格目標 答練本科生記述対策プラス

模試だけ追加してよい人もいる

さらに、

  • 記述過去問が安定
  • 答練も前年十分受けた
  • 答案構成も固まっている
  • 問題演習量も足りている
  • 本試験だけ時間配分を崩した

という場合です。

このタイプなら、

前年教材
+
自分で記述演習
+
新年度模試

という構成も考えられます。

ただし、

「去年たまたま本試験で時間を失った」

のか、

「普段から時間がぎりぎり」

なのかは分けてください。

普段から時間不足なら、模試数回だけでなく答練から時間制限をかける方がよいでしょう。

本科を買い直す必要性は低い

記述だけが明確な弱点で、

  • 択一知識が一定水準
  • 主要4科目の基本理解がある
  • 過去問も一通り回している

なら、初学者向け本科を丸ごと買い直す優先度は下がります。

むしろ、

前年テキスト
前年択一過去問
前年記述教材

を残し、

必要に応じて、

記述講座
答練
模試
法改正

だけ新年度版を追加します。

できている部分まで買い直さない

のが2年目の基本です。

ただし択一を完全に止めない

「記述だけ弱い」からといって、

2年目を記述だけにするのも注意が必要です。

前年択一が基準点ぎりぎりなら、翌年も必ず突破できるとは限りません。

そのため、

択一
→ 前年教材+答練で維持

記述
→ 重点補強

という形が安全です。

TACの記述対策プラスも、記述式対策講座だけではなく、答練では択一1,120問も扱います。

記述強化コースであっても択一を切っていないのは、そのためです。

公式資料

TAC|2027年合格目標 答練本科生記述対策プラス

2025年度を見ると記述基準点だけ超えても足りない

2025年度司法書士試験では、

午前択一
→ 78点

午後択一
→ 72点

記述
→ 70点

が基準点でした。

合計すると220点です。

一方、筆記試験合格点は、

255点

でした。

つまり、各基準点をぎりぎり突破しただけでは35点足りません。

そのため、

記述基準点70点を取ればいい

ではなく、

択一・記述のどこかで総合点を上積みする

必要があります。

記述だけが弱い人でも、記述を基準点ぎりぎりまで上げれば終わりではありません。

「記述を安定した得点源にする」

という視点が重要です。

公式資料

法務省|令和7年度司法書士試験筆記試験の合格点等について

答練では得点より「なぜ落としたか」を見る

記述答練を受けた後、

35点
45点
55点

という点数だけを見ると改善点が分かりません。

ミスを、

論点不足

そもそも知識がなかった。

読み落とし

問題文・別紙を見落とした。

枠ズレ

必要な登記を拾えなかった。

答案ミス

申請人・添付情報・登録免許税等を間違えた。

時間切れ

分かっていたが書けなかった。

に分けます。

この分類によって、

講座へ戻る
のか
答練を増やす
のか
時間配分を直す

のかが変わります。

記述答練は「受けた数」より復習を重視する

記述が弱いと、

「今年は100問解く」

と問題数を増やしたくなります。

しかし、

同じ枠ズレ
同じ読み落とし
同じ時間切れ

を繰り返して100問解いても、改善しない可能性があります。

1問ごとに、

  1. どこで判断を間違えたか
  2. どの資料を見るべきだったか
  3. 正しい処理順序は何だったか
  4. 何分かかったか

を確認します。

解法を固定する
↓
答練で試す
↓
失敗原因を修正する

を繰り返します。

講座構成をタイプ別に整理

記述の状態追加するもの
解法自体が分からない記述講座+答練+模試
知識はあるが答案にできない記述講座+答練
過去問は解けるが初見に弱い答練+模試
時間内に終わらない答練+模試
午後択一で時間を使いすぎる全科目答練+模試
演習量も解法も十分模試中心でも可

こう見ると、

記述が弱い=全部入り記述パック

ではありません。

自分に足りない工程から追加します。

記述講座・答練・模試を選ぶ順番

STEP1 前年の答案を見る

どこで失点したか確認します。

STEP2 解法が固まっているか確認する

固まっていない
→ 記述講座

固まっている
→ 答練へ

STEP3 初見問題で解けるか確認する

弱い
→ 答練

安定している
→ 模試中心でも可

STEP4 時間を確認する

時間内に終わらない
→ 答練・模試

STEP5 午後択一も含めて確認する

午後択一に時間がかかるなら、記述だけではなく全科目答練にします。

STEP6 本科を買い直すか最後に考える

記述だけが弱いなら、初学者本科を買い直す必要性は低くなります。

つまり、

先に本科を決めるのではなく、記述のどの工程で止まっているかから買うものを決める

という順番です。

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記述だけ弱いなら、弱い部分だけ買う

司法書士試験で記述だけが弱い場合、

「記述対策を全部買う」

必要はありません。

解法が弱い
→ 記述講座

初見問題が弱い
→ 答練

時間配分が弱い
→ 答練+模試

本試験形式だけ弱い
→ 模試

というように分けます。

択一・基本テキストは前年教材を残し、

記述で実際に点を落としている工程だけ追加する

のが2年目の組み方です。

記述講座・答練・模試は、それぞれ役割が違います。

3つ全部を買うかではなく、

自分の記述答案がどこで崩れているか

を見て決めてください。

出典

この記事は、2026年8月時点の試験情報・各講座公式情報をもとに作成しています。

法務省「令和8年度司法書士試験」、法務省「令和7年度司法書士試験筆記試験の合格点等について」、法務省「司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について」、アガルート「2027年合格目標 記述・答練パック」、TAC「2027年合格目標 答練本科生」、TAC「2027年合格目標 答練本科生記述対策プラス」