予備試験で短答は通る・論文で落ちる|基礎講座を買わず論文答練+添削だけ追加する方法

予備試験で短答式は通過できる。

しかし、論文式で落ちる。

翌年の講座を探すと、短答・論文・基礎講義まで入った大きなカリキュラムも出てくるため、

「また基礎講座から買い直したほうがいいのか」

と迷いやすくなります。

ただ、前年に短答式を突破できていて、論文問題を読めばある程度論点も分かるのであれば、初学者向けの基礎講座を丸ごと買い直す必要があるとは限りません。

2027年向けにも、伊藤塾には過去問・論文答練を中心にしたCBT答練パック、アガルートには基本知識と基本的な論文答案の書き方を習得済みの人を対象にした予備試験アウトプットカリキュラムがあります。

つまり、

短答は前年教材で維持する。

論文は過去問と答練を増やす。

自分で修正できない答案は添削を使う。

という組み直しができます。

ただし、「短答に通った=翌年は短答対策不要」ではありません。

予備試験には前年合格による筆記試験免除がないため、翌年も短答式から受験します。

ここを前提に、基礎講座を買い直さず2年目以降をどう組むか考えます。

前年に短答を通っても翌年は短答式から受ける

予備試験では、前年に短答式へ合格して論文式まで進んでいても、翌年の短答式が免除されるわけではありません。

法務省も、試験科目の一部免除制度はなく、前年に論文式試験まで合格していた場合でも筆記試験免除はなく、短答式から受験すると案内しています。

そのため、

「短答は一度通ったから、翌年は論文だけ勉強する」

という組み方はできません。

ただし必要なのは、

短答知識をもう一度ゼロから作ること

ではなく、

短答合格水準を翌年も維持すること

です。

前年に使った基本テキスト、短答過去問、間違えた問題の記録などを使いながら、直近問題、判例、答練、模試などを追加する方法があります。

2年目以降は短答を「再構築」するのか「維持」するのかを最初に分けます。

短答が毎年通るなら基礎講座の優先度は下がる

次のような状態なら、初学者向け基礎講座の全面買い直しは優先度が下がります。

  • 前年の短答式を合格している
  • 法律基本7科目の基礎講義を一通り受講済み
  • 短答過去問も複数回解いている
  • 論文問題を読めば主要な論点はある程度分かる
  • 模範答案や解説を読めば内容を理解できる

この状態で論文式に落ちたのであれば、

知識をもう一度聞く時間

より、

自分で答案を書く時間

を増やす余地があります。

一方、

短答はぎりぎりだった。

論文では問題文を読んでも論点自体が分からなかった。

基本的な条文・判例知識に大きな穴がある。

という状態なら、単純に答練だけ増やすのは早い場合があります。

「短答を通った」という結果だけでなく、論文で何ができなかったかを確認します。

論文で落ちる原因を3つに分ける

基礎講座を買い直すか判断するには、前年の論文不合格を分解します。

論文で起きていること翌年に優先するもの
問題を読んでも論点が浮かばない知識・重要問題の復習
論点は分かるが答案にできない過去問・論文答練
書けるが評価が伸びない添削・答案分析・初見答練

「論文が弱い」というだけでは、必要な講座は決まりません。

論点そのものが浮かばない

この場合は、まだインプット不足があります。

ただし、初学者向けの総合基礎講座まで戻る必要があるとは限りません。

重要問題演習や弱い科目の復習まで戻れば足りる可能性があります。

論点は分かるが答案にできない

問題を読んだときには、

この判例を使う。

この規範を書く。

この論点が問題になる。

と分かる。

しかし時間内に答案へ落とせない。

この状態なら、論文過去問と答練の比率を増やします。

一応書けるが評価が低い

自分では書けたと思う。

しかし成績が上がらない。

この場合は、答案を第三者に見てもらう意味が大きくなります。

添削で、

問題文の事実を拾えているか。

規範から当てはめへつながっているか。

不要な論点を書きすぎていないか。

時間配分が崩れていないか。

を確認します。

まず論文過去問を使い切れているか確認する

論文答練を買う前に確認したいのが過去問です。

伊藤塾の2027年向け予備試験CBT答練パックでも、最初に予備試験の論文過去問対策を置き、その後に未知の問題を使った答練へ進む設計になっています。

CBT過去問答練パックでは、2020年から2026年までの論文問題を使った解説講義と、論文過去問答練が用意されています。

つまり、

過去問を理解する
↓
自分で書く
↓
添削を受ける
↓
未知の問題へ進む

という順番です。

前年に論文式まで進んだとしても、

過去問は読んだだけ。

模範答案を見ただけ。

答案構成だけで済ませた。

という問題が多いなら、いきなり大量の新作答練を買う前に過去問へ戻る余地があります。

過去問を書けるなら初見答練を追加する

過去問について、

何度も分析した。

自分でも答案を書いた。

主要論点も把握している。

という状態なら、新しい問題を追加する意味が出てきます。

伊藤塾の2027年向けCBT答練パックには、予備試験論文過去問だけでなく、オリジナル問題による「CBTコンプリート論文答練」が含まれます。

さらに、基礎知識のインプットと過去問対策が終わっている人向けに、「CBTコンプリート答練パック」も設定されています。

つまり、

過去問から必要な人

と、

過去問は終わっていて未知の問題だけ増やしたい人

を分けて選べます。

短答には通る、過去問もかなりやった、それでも論文で落ちるという段階なら、後者に近づきます。

アガルートにも基礎講座を含まないアウトプット型がある

アガルートの2027・2028年向け「予備試験アウトプットカリキュラム」は、基本的知識と基本的な論文答案の書き方をすでに習得している人を対象としています。

初学者向け総合講義を最初からやり直す構成ではなく、

重要問題習得講座。

予備試験論文過去問解析講座。

旧司法試験論文過去問セレクト答練。

予備試験論文過去問セレクト答練。

予備試験・法科大学院入試答練。

法律実務基礎科目答練。

を組み合わせています。

さらに、オンライン添削は合計110通用意されています。

短答式は通過できているものの、論文演習量と答案修正を増やしたい人に合わせやすい構成です。

ただし110通あるから優れている、と回数だけで決める必要はありません。

実際に提出し、返却答案を復習し、次の答案で修正できる量かを確認します。

添削は「自分で気づけないところ」に使う

論文答案を書いたら、すべて添削してもらわなければならないわけではありません。

自分で、

出題趣旨。

模範答案。

再現答案。

採点基準。

と比較して修正できる答案もあります。

一方、

毎回書いているのに評価が上がらない。

模範答案との違いは分かるが、なぜ自分の答案が低評価なのか分からない。

同じ科目だけ安定しない。

という場合は、添削を使う意味があります。

添削を受けたら、

答案を提出する
↓
指摘を読む
↓
教材へ戻る
↓
答案構成をやり直す
↓
次の答練で同じミスをしない

まで行います。

添削通数を増やすこと自体が目的ではありません。

短答は前年教材+今年のアウトプットで維持する

論文中心に切り替えるとしても、短答対策を捨てることはできません。

ただし前年に合格しているなら、

前年の基礎テキスト。

前年までの短答過去問。

自分が間違えた問題。

を継続して使えます。

そのうえで、

最新年度問題。

短答答練。

直近判例。

全国公開短答模試。

など、新しくなる部分を足します。

伊藤塾の2027年向けCBT答練パックにも、論文対策だけでなく短答答練や全国公開短答模試が組み込まれています。

「短答は自分で対策できるので、最後の仕上げだけで十分」という人を対象者として明示しています。

この状態なら、

短答本科を再購入
+
論文本科を再購入

ではなく、

前年短答教材
+
今年の短答答練・模試
+
論文答練・添削

という組み方ができます。

論文答練だけに切り替えてよいか自己判定する

次の質問で確認できます。

1.短答過去問は自力で解けるか

できるなら、短答基礎講義を最初から聞き直す優先度は下がります。

2.論文問題を読んで主要論点が浮かぶか

浮かばないなら、重要問題やインプットへ戻ります。

浮かぶなら答練へ進みやすくなります。

3.答案構成だけでなく時間内に最後まで書けるか

書けないなら、実際に起案する回数を増やします。

4.過去問を実際に書いたか

読んだだけなら過去問答練から。

十分に書いたなら初見答練を追加します。

5.自分の答案の悪いところを説明できるか

できないなら添削を使います。

この5つを確認すれば、

基礎講座。

過去問答練。

初見答練。

添削。

のどこから再開するかを分けられます。

短答は通るが論文で大きく落ちるなら答練だけでは足りない場合もある

注意したいのは、

「短答に受かっているから、法律知識は十分」

とは限らないことです。

短答式と論文式では求められる使い方が違います。

短答なら選択肢を見て正誤判断できても、

何もない状態から規範を書けない。

問題文から必要な事実を拾えない。

当てはめが薄い。

ということがあります。

その場合は、

基礎講義を全部やり直す

と

答練だけやる

の中間があります。

たとえば重要問題演習へ戻り、論文で使える形に知識を再構築してから答練へ進む方法です。

アガルートのアウトプットカリキュラムにも約450問の重要問題演習が入っています。

論文で落ちたからといって、選択肢を「本科か答練だけ」の二択にする必要はありません。

あと一歩なら初見問題+添削へ寄せる

前年の論文式で、

全科目最後まで書けた。

大きな論点落としも少なかった。

過去問も十分に解いている。

という状態なら、基礎への戻り幅はさらに小さくできます。

この場合は、

未知の問題を時間内に書く。

添削を受ける。

順位や評価を見る。

弱い科目だけ戻る。

という学習へ寄せます。

伊藤塾が「基礎知識のインプットや過去問対策が終わっていることを前提」としてCBTコンプリート答練パックを用意しているのも、この段階の受験者がいるためです。

2026年以降はCBTで書くことも新しい対策になる

2026年から予備試験の論文式試験はCBT方式になりました。

そのため、前年以前の教材を使う場合でも、

問題を読む。

答案構成をする。

PCで最後まで答案を作成する。

という練習は新しくする必要があります。

伊藤塾は2027年向けの論文答練をCBT対応とし、アガルートもアウトプットカリキュラムの添削答案をCBT方式に対応させています。

すでに法律知識がある再受験者ほど、

新しい基礎テキストを買う

より、

本試験と同じようにPCで答案を書く環境を増やす

ことへ費用を回す選択肢があります。

基礎講座を買い直したほうがよい人

今回の方法が向かない人もいます。

次の状態なら基礎側へ戻ることを検討します。

  • 短答が毎年ぎりぎり
  • 基本7科目で知識の抜けが多い
  • 論文問題を読んでも論点を判断できない
  • 規範を自力で出せない
  • 過去問解説を読んでも理解できない
  • 初年度の基礎講義自体を消化できていない

この状態で大量の答練を購入しても、

問題を解く。

分からない。

解説を読む。

次の問題へ進む。

を繰り返すだけになる可能性があります。

持っている教材で論文問題を処理できるところまで戻ってから、答練を追加します。

結論|短答は維持、論文は「過去問→初見→添削」で厚くする

予備試験で短答は通るのに論文で落ちるのであれば、翌年も初学者向け基礎講座を丸ごと買い直すことだけが選択肢ではありません。

まず短答は、

前年教材。

短答過去問。

最新問題。

今年度答練・模試。

で合格水準を維持します。

論文は、

過去問をまだ書き切っていないなら過去問答練。

過去問が終わっているなら初見答練。

自分で答案の問題点を判断できないなら添削。

という順番で追加できます。

それでも論点そのものが浮かばない科目だけ、重要問題やインプットへ戻ります。

「論文に落ちたから全部やり直す」のではなく、

知識が足りないのか。

書く量が足りないのか。

答案を修正する機会が足りないのか。

を分けてから買うものを決めると、2年目以降の講座を絞りやすくなります。

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申込み前に、前年の論文答案を1科目だけ見直す

新しい本科を契約する前に、前年の論文答案を1科目だけ取り出してみてください。

論点が分からなかったのか。

分かっていたのに書けなかったのか。

書いたのに評価されなかったのか。

ここが分かれば、買うべきものも、

基礎・重要問題。

過去問答練。

初見答練。

添削。

のどこなのかを絞れます。

出典

法務省|令和8年司法試験予備試験に関するQ&A、伊藤塾|2027年合格目標 予備試験 CBT答練パック、伊藤塾|2027年合格目標 予備試験 CBT過去問答練パック、アガルートアカデミー|2027・2028年合格目標 予備試験アウトプットカリキュラム、アガルートアカデミー|2027・2028年合格目標 重要問題習得講座

この記事は、2026年8月時点の法務省・各資格スクールの公開情報をもとに作成しています。